2025年3月31日付ワシントン・ポスト紙は、「台湾は、米国防省の対中抑止集中に安心し驚く」と題する解説記事を掲げ、国防省内で配布された内部戦略メモに示された対台湾政策の内容を解説している。

トランプの台湾支援停止への懸念が高まる中、台湾は、中国の台湾侵攻抑止がトランプ政権の軍事的優先事項であることが分かり安心した。中国との戦争に対するトランプ政権の立場を示す秘密メモは、大統領の米国第一主義的行動と対ウクライナ軍事支援停止を懸念してきた台湾の分析家達を驚かせた。
台湾は米国のここまで明確な意思表明を見たことが無い。ウクライナと同様台湾は大きな隣国を恐れながらその領土的野心を止める上で米国の支援に頼ってきたが、その地位は、習近平が台湾周辺で威嚇を強める中、益々不安定になっていた。
中国は、世界一先進的半導体製造業を持つ人口2300万人の台湾を自国の一部と主張し必要なら武力を使うとしている。米国は台湾防衛を約しているが、中国侵攻に際し軍事介入するかを意図的に曖昧にしてきた。
トランプ大統領が台湾に自身の防衛のためより多く行動し支出するよう求める中、不確実性は一層高まっていた。トランプは習近平を「良い友人」と呼び何時でも会談すると言ってきたが、ヘグセス長官が署名し国防省内で広く配布されたメモでは米軍の優先事項は中国の台湾併合抑止だ。中国の台湾併合の既成事実化を防ぎ米国本土を防衛するのは国防省の唯一の基調的シナリオだとヘグセスは言う。
台湾の国防省系シンクタンクINDSRのチャン曰く、「驚いた、このメモは最も明確に台湾を米国の世界的防衛戦略の中心に据えるものだ、我々はトランプ政権が台湾を無視し中国と取引することを恐れていたが、現時点ではそれは無さそうだ」。