2022年6月28日(火)

ネット炎上のかけらを拾いに

2018年6月21日

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 ツイッターで可視化される、教育の敗北。

(GettyImages/Jena Ardell)

発売後の批判で「気づいた」は本当なのか

 RADWIMPSが歌う「HINOMARU」が物議を醸した。「高鳴る血潮、誇り高く この身体に流れゆくは 気高きこの御国の御霊」「さぁいざゆかん 日出づる国の 御名の下に」などの歌詞が、まるで戦時中に国威発揚のために歌われた軍歌のようだと批判を集めたのだ。

 作詞者でありボーカルの野田洋次郎は、「純粋に何の思想的な意味も、右も左もなく、この国のことを歌いたいと思いました」とインスタグラムに綴り、ツイッターでも引用している。国旗や国歌における論争は日々続いており、このような歌詞について本気で「何の思想的な意味も」「右も左もなく」が通ると考えているのなら、純粋に勉強不足なのではないだろうか。

 この発表から約5日後に出した文章で、野田は「(軍歌だという意図は)1ミリもありません」「色んな人の意見を聞いていてなるほど、そういう風に戦時中のことと結びつけて考えられる可能性があるかと腑に落ちる部分もありました。傷ついた人達、すみませんでした」と書いている。

 なんというか、無邪気である。

 もしこの歌詞が波紋を呼ぶことを想定していなかったのだとしたら、このような無邪気さは、本来周囲が指摘するべきなのではないかと思う。発売前に指摘を受け、「それでも出したい」と思うなら、それは覚悟だろう。しかし、発売後に意見を聞いて「なるほど、そういう風に戦時中のことと結びつけて考えられる可能性があるか」と気づき「傷ついた人達、すみませんでした」と謝罪するのは、たとえパフォーマンスであったとしても、ちょっと、いやかなり格好悪い。

 とはいえ、この件についてはすでに「RADWIMPS「HINOMARU」について」(武田砂鉄)(https://cakes.mu/posts/21214)、「RADWIMPSの新曲「HINOMARU」に関するから騒ぎについて」(赤木智弘)(http://blogos.com/article/304818/)などで論考されているので、ここまでにする。

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