2024年5月27日(月)

ジェンダー平等と多様性で男性優位の社会を変えよう

2024年2月21日

CASE3
キャリア女性のニーズをつかむ
PRESIDENT WOMAN×キャリア女性向け商品
「PW Plume(ピーダブリュ プリューム)」。より軽く、よりスリムだが、荷物も入る優れもの(PRESIDENT WOMAN)

 経営者やキャリア女性をターゲットとするメディア、『PRESIDENT WOMAN』(プレジデント社)。読者アンケートに多く寄せられていた「パソコンが入る大きいバッグが欲しい」という声に目をとめた編集長の木下明子さんは、キャリア女性用のバッグを開発する決意をした。「これまでのキャリア女性は、重量のあるブランドバッグは使いづらく、安いバッグを買い換えていたとわかり、読者層に合う商品が市場にないことは問題だと思いました」(木下さん)。

 そこで木下さんらは2020年、クラウドファンディングを活用して、高級感があって軽く、パソコンが入るオフィス用バッグを販売した。メルマガ会員のみに売り出したにもかかわらず、初回は20時間以内に完売。53,900円と決して安価ではなかったが、増産分を含め190個の在庫は2週間で完売した。

 「コロナ禍でパソコンを持ち歩く機会が増え、デパートの男性用リュック売り場に女性が殺到しているという話も聞いて、企業とタッグを組み、機能性が高くおしゃれなリュックの開発にも取り組みました。ただ、企画を持ち込んでも、男性担当者に『女性用ビジネスリュックは需要がない』と言われたり、本革で大きい見本品を頼んだにもかかわらず『合皮で小さい』リュックが出てきたこともあり、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の存在を実感しました」(木下さん)。

 その後も、内ポケットや胸ポケットをつけた珍しいブルーグレー色のジャケットや、キャンバス生地のパソコンケース付きトートバッグ、「本当に走れる」と木下さんも太鼓判を押すスニーカーのようなパンプスなども開発した。おしゃれで機能性があり、しかも使いやすい。最初は断られることも多かったが、女性が欲しい商品を開発し続けたことで、今は企業の方から連絡が来るようになった。

 これまで続けられたのは、読者の声という〝支え〟があったからだ。取り組みを応援したいからと、クラウドファンディングで1000円上乗せで買ってくれた人もいた。前例やデータがなかったからと言って、利用者としての女性たちの声を見過ごしてはならない。真のニーズは無意識の偏見を越えた先にある。

   
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Wedge 2024年3月号より
ジェンダー平等と多様性で男性優位の社会を変えよう
ジェンダー平等と多様性で男性優位の社会を変えよう

「育児休暇や時短勤務を活用して子育てをするのは『女性』の役目」「残業も厭わず働き、成果を出す『女性』は立派だ」─。働く女性が珍しい存在ではなくなった昨今でも、こうした固定観念を持つ人は多いのではないか。 今や女性の就業者数は3000万人を上回り、男性の就業者数との差は縮小傾向にある。こうした中、経済界を中心に、多くの組織が「女性活躍」や「多様性」の重視を声高に訴え始めている。

内閣府の世論調査(2022年)では、約79%が「男性の方が優遇されている」と回答したほか、民間企業における管理職相当の女性の割合は、課長級で約14%、部長級では8%まで下がる。また、正社員の賃金はピーク時で月額約12万円の開きがある。政界でも、国会議員に占める女性の割合は衆参両院で16%(23年秋時点)と国際的に見ても極めて低い。

女性たちの声に耳を傾けると、その多くから「日常生活や職場でアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)を感じることがある」という声があがり、男性優位な社会での生きづらさを吐露した。 

3月8日は女性の生き方を考える「国際女性デー」を前に、歴史を踏まえた上での日本の現在地を見つめるとともに、多様性・多元性のある社会の実現には何が必要なのかを考えたい。 


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