中国の春節期間中、中国で流行している漢服(中国の伝統衣装をアレンジした衣装)を着て、東京をレストランバスで巡るという企画ツアーがこのほど実施された。筆者は中国人KOL(キー・オピニオン・リーダー)や、春節休暇で来日した富裕層の若者らに密着。日本での漢服体験は、今後、観光の新たなトレンドを生み出すのか、様子を探った。
日本にはまだ浸透していない新たな要素
2月10日、東京・丸ビル前に集合したのは、在日中国人KOL、インフルエンサー、中国から観光でやってきた富裕層の若者など十数人。企画したのは日本のライフスタイルを中華圏の富裕層に紹介するメディアの運営やマーケティング、インバウンド誘致支援などを行う行楽ジャパン(東京・港区)と、大手バス会社、WILLERグループで、さまざまなバスツアーを企画・実施しているWILLER ACROSS(東京・目黒区)の2社。今回、春節の時期に合わせて『中国の若者に大人気の漢服で東京を巡るレストランバス体験』を実施した。
具体的なツアー内容は、同社の2階建てバスで丸ビル前を出発し、日比谷公園、皇居、国会議事堂、東京タワー、増上寺、レインボーブリッジ、フジテレビ、アクアシティお台場(30分自由散策、撮影)、歌舞伎座、銀座などを約2時間半かけて巡り、丸ビル前に戻ってくるというもの。バスの1階にはキッチンが併設され、出来立ての本格的な料理を堪能しながら写真撮影を楽しむという内容だ。
WILLER ACROSSの企画担当者は「バスの天井は開閉できるようになっていて、東京タワーなどは真下から望むことができます。いま中国の若者の間で漢服が流行していますが、日本にはまだ浸透していないので、レストランバスに乗って漢服体験をしてみたらおもしろいのでは、ということで、両社で共同企画しました」と話す。