2024年12月22日(日)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2024年1月5日

 中国経済は2023年7月頃を境に正常に復しつつあるかに見えるが、依然として力強さに欠ける。1~9月期の国内総生産(GDP)成長率は5.2%増(前年同期比、以下同)と5%台になったが、第3四半期(7~9月期)は4.9%増、対前期比では1.3%増で、第2四半期の同0.5%よりは好転したものの、まだ低い。

(claffra/gettyimages)

 回復を牽引したのは消費で、社会商品小売総額は6.8%増であったが、全社会固定資産投資は3.1%増にとどまり、うち民間企業は-0.6%、不動産部門は-9.1%と底を打っていない。対外経済面を見ても、同期の輸出は0.6%増、輸入は-1.2%と振るわないものであった。以上の諸指標について直近10月、11月のデータを見ても、基本的な状況は変わっていない。

 こうした中、外資も中国経済の先行きへの懸念を強めている。同期の外国投資受入額は-8.4%(人民元ベース)とコロナ禍にあった前年同期よりさらに減少している。

 国際収支ベースで見ると、外資による直接投資は118億ドル(約1兆7700億円)のマイナスだった。外資による新規投資より撤退や事業縮小の方が多かったわけで、マイナスとなるのは統計を遡れる1998年以降で初めてとされる(日本経済新聞等報道による)。

中央経済工作会議の現状認識

 現下の経済情勢を中国当局はどう認識しているのだろうか。23年12月11~12日に中国共産党中央と国務院が共催した中央経済工作会議のコミュニケ等により整理しておこう。なお、習近平国家主席は12日からベトナム公式訪問を開始しており、実質1日間の開催だったとみられ、変則的日程であったようだ。


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