今年の訪日外国人旅行者数が初めて1000万人の大台を超えそうだ。しかし、世界最多のフランスは年間8300万人を集めており、日本は途上国。東京五輪の開催も決まったところで、2020年に2倍に増やしてみてはどうか。お上頼みのハコモノ整備に限らず、民間でも工夫できるはずだ。
日本を訪れた外国人旅行者が、今年7月、初めて月間100万人を突破した。安倍晋三首相が推進する経済政策「アベノミクス」で円安が進んだことから、外国人旅行者が急増しているのだ。
日本政府観光局の推計では1~8月の累計で686万4400人に達し、前年の同期間に比べて21.4%も増えた。このままのペースで行けば、今年の訪日外国人旅行者は初めて1000万人を超えることになりそうだ。「観光立国」を掲げる日本政府が長年目標にしてきた大台の達成である。
1000万人というと多いように思われるかもしれないが、実は「観光立国」と言うにはまだまだ程遠い。
世界をみると、2012年に最も多くの外国人旅行者を受け入れたのはフランスで、その数何と8300万人。日本はこの年836万人だったので、ざっと9倍である。2位は米国の6697万人、次いで3位は中国の5773万人だった。
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日本は、アジアの中でも、香港の2377万人やタイの2235万人、マカオの1358万人よりも少なく、世界で33位に過ぎないのだ。
安倍内閣が6月に閣議決定した成長戦略「日本再興戦略」には、訪日外国人旅行者の促進策として「ビジット・ジャパン事業」が盛り込まれている。30年に3000万人にする計画だという。途中経過の2000万人の目標年限は定められていないが、東京でのオリンピック開催も決まったことだし、20年に2000万人を目標にしてみてはどうか。