台湾は、国際的に志を同じくする民主主義国家、特にフィリピン、インド、日本、韓国との協力も進めるべきだ。昨年、中国海警局がフィリピンの船舶に軍事用レーザーを照射して以来、マニラは少なくとも18カ国と新たな安全保障協定を結んでいる。
台湾は、それに学び、中国の侵略を抑止すべく、台湾海峡だけでなく南・東シナ海にわたる安全保障作戦を確立すべきだろう。脅威認識の共有は、戦略的関係を緊密化するのに最も重要な原動力の一つとなる。
台湾の次期政権は、中国の強圧的な拡張主義に対する米国と国際社会の懸念を最大限に利用し、国家の主権と発展を守ることに貢献すべきである。
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台湾が「捨てられたコマ」とならないために
バイデン米大統領は、米国議会での一般教書演説の中で、台湾防衛の重要性を強調し、米国としては、中国からの「仮想の侵攻(hypothetical invasion)」に対し、台湾防衛の強い決意を有していると表明した。
Taipei Timesは、このことを解説するとともに、台湾海峡の緊張を緩和するためには、自由と民主主義の価値を共有する国々との広範な協力関係が必要であるとして、フィリピン、インド、日本、韓国などを挙げている。そして、特に中台間の緊張をインド・太平洋のフレームワークの中で扱い、脅威認識を共有しつつ、米国が主導力を発揮するのが望ましい、と述べている。
Taipei Timesによれば、本年11月の米大統領選挙では、バイデンとトランプの一騎打ちになる公算が大きいが、トランプは「米国の利益を第一に」と強調し、国際場裏では「孤立主義」政策をとるものとみられており、これに対し、バイデンはこれまでの発言を見る限り、中国の経済、貿易面での不公正慣行や地政学上の膨張主義などへの警戒心を隠していない。つまり、Taipei Timesの立場は、バイデンの主張に近く、トランプが大統領になることへの警戒心を有しているように見える。