2024年12月26日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年11月28日

 また、北朝鮮の人権侵害と戦う機関にも支援を行なうべきである。北朝鮮では、表現、移動、宗教、思想の自由が厳しく制限されており、政府や党を批判すれば厳しく罰せされ、外部世界についての知識も極めて制限され歪んだものとなっている。

 英国のクレッグ副首相は、国連総会で、「開かれた社会は、国内では民主主義と自由を選び、国外では関与と責任を選ぶ」が、「閉ざされた社会は、市民の自由を抑圧し、自らの行動を隠ぺいし、国際社会から身を退く」と述べている。

 多くの西側諸国は北朝鮮がドアを閉ざしていることを見てやる気をなくしている。しかし、ドアが閉まっていても、鍵までは掛かっていないことは、救いであり、重要な点である。

 駐北朝鮮大使のポストを求めたのは、関与政策に基づき、活発でエネルギッシュな外交を賢明かつ柔軟に展開すれば、結果は出せると考えたからである。我々は、開かれた社会の価値観の為に立ち上がるべきである。それは、我々の安全保障に必要なだけでなく、北朝鮮の人々の未来の為にも、朝鮮半島の永続的平和の為にも必要なことである、と述べています。

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 北朝鮮が付き合いにくい国であること、それにもかかわらず、ギフォード大使が関与政策により成果を挙げるために努力していることがよく解る記事です。

 当面、北朝鮮との関係で、英国が出来ることは、同大使が述べているようなことなのでしょう。

 しかし、北朝鮮が核・ミサイル開発と経済発展の双方を同時に推進しようとする併進戦略に固執し、核・ミサイル開発を更に推進する姿勢を示している現状では、外部世界との関係改善は難しいでしょう。

 北朝鮮は、最近になっても、寧辺の黒鉛減速炉再稼働の動きを見せ、国連安保理決議で禁止されている衛星打ち上げについても、打ち上げの権利を放棄しないとの立場を崩していません。英国の関与政策で北朝鮮の姿勢を変えることが出来る保証はありません。

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