2024年12月22日(日)

ヒットメーカーの舞台裏

2013年12月23日

 エアコンやテレビなど家電の赤外線リモコンを一括管理する装置であり、インターネットを通じ出先からスマートフォン(スマホ)やパソコンで遠隔操作できる。個人向けだけでなく、新築マンションに予めビルトインする用途や、介護施設の遠隔管理用など法人向けの需要も拡大している。2012年12月に発売し、当初計画のほぼ3倍の売れ行きになっているという。

「Plutoステーション」本体

 Plutoステーションのサイズは、およそ11×8センチで厚さが3センチ余り。ちょうど2つ折りの財布くらいだ。使用にはネット環境が必要で、本体とネット接続端子をLANケーブルでつなぎ、電源はACアダプターから取る。まず、家電のリモコンをステーションに向けて操作し、信号を認識させる。複数のリモコンの信号を記憶する学習機能を備えている。

 次いでスマホやパソコンからPluto(東京都千代田区)のホームページにアクセスし、ステーションに割り当てられたシリアル番号を入力して家電情報などを登録する。赤外線が飛ばせるのは1台につき1部屋だが、帰宅前にエアコンのスイッチを入れるなど、さまざまな家電の操作ができる。帰宅が遅くなる場合や旅行に出かける時など、防犯のために出先から点・消灯するといった用途も増えているそうだ。価格は1万2800円。

 Plutoは、代表取締役の金田賢哉(26歳)ら大学院生が11年冬に設立した学生ベンチャーの株式会社だ。その1年ほど前、金田は大学院の講師に、今は取締役となっている市東(しとう)拓郎(27歳)を紹介され、力を合わせてこのステーションの開発から量産手配、会社設立、さらに営業へと取り組んできた。現在、金田は東京大学、市東は電気通信大学のそれぞれの大学院で博士課程を修めつつある。


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