2024年7月14日(日)

中国メディアは何を報じているか

2013年12月25日

 6面の記事の小見出しは以下のようになっている。

(1)経済大省は「成長の悩み」に直面し、発展のボトルネックは喫緊の課題となった
(2)粗放型成長方式を改め、「少なく食べて、玉子を多く産み、遠くに飛ぶ」という良い「鳥」を育てることである
(3)資源占用と産出の貸借を細かく計算し、劇薬を使って「低い、小さい、バラバラ」(というボトルネック:筆者注)を抜本的に改善した
(4)創新を用いて転換を促進し、経済発展の道はますます広がった

GDP大省を築いた張徳江を批判

 まさに18期3中全会の「改革の全面的深化の決定」に沿った、地方の成功例を紹介する記事であるが、その転換点が2004年であることを強調しているのがポイントである。

 実は現在の総書記である習近平が浙江省党委員会書記に就任したのが2002年11月で、2007年3月まで在任した。つまり、2004年に発展方式の転換を指示、指導し、現在の基礎を作ったのは習近平ということになる。

 しかも、2004年の転換のポイントは、それまでGDP大省であったことに疑問を呈したことである。それでは浙江省をGDP大省にしたのは誰か。習近平の前任者は、現在の中央政治局常務委員で党内序3位の張徳江である。当時張徳江は浙江省での経済発展の実績が評価され、広東省党委員会書記に抜てきされた。

 先ごろ、人事評価でGDP第一主義からの脱却が打ち出されたばかり(前回の記事参照)。いち早くGDP第一主義から脱却したのが浙江省の当時のトップである習近平であり、張徳江がGDP第一主義の申し子であるという印象づけがこの記事から読み取れなくもない。

「騰籠換鳥」は汪洋の専売特許ではない

 また「騰籠換鳥」という言葉は、最近では汪洋が広東省党委員会書記当時に産業構造の転換を積極的に主張していたことで、よく使われた言葉である。それを今回、2004年当時すでに浙江省で使われていた言葉であることを明確にしている。それは、汪洋の「専売特許」ではなく、習近平が先に使ったことをアピールしている。改革に対し保守的なイメージが持たれている習近平だが、この記事は習近平が改革、産業構造の転換に積極的であることを印象づけようとしていると読み取れなくはない。


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