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2014年2月27日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト

千葉商科大学教授(4月から)。1987年日本経済新聞社に入社。フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務め、11年に独立。著書に『2022年、働き方はこうなる』(PHPビジネス新書)など。

1年後、2015年から個人所得課税の最高税率が約56%まで引き上がる。自民党政権になっても続く金持ちイジメに、富裕層の我慢は、もはや限界だ。だが、高額納税者が海外に逃避すれば、税収は減る。タックスヘイブンの締め付けが強まる今こそ、逆転の政策を。

 一時期、日本を捨ててシンガポールや香港、スイスなどに移住する日本人富裕層が急増していた。日本の所得税や相続税が国際的に高いため、税率が低かったり、課税されなかったりする国に移ってしまおうというのが動機だった。シンガポール政府などは日本人の金持ちをターゲットに、移住を勧誘していた。富裕層を顧客とする信託銀行やプライベートバンクは、そんな富裕層が日本から“逃避”する手伝いで繁盛していたものだ。

 先日、信託銀行のトップと話をしていたら、そんな富裕層顧客の行動に変化が出ているという。所得増税や資産課税に意欲を見せていた民主党政権が崩壊し、自民党に戻ったことで、富裕層が日本に逆流して戻って来ているのかと思ったら、そうではないという。移住先が米国に変わりつつあるというのである。

 理由の一つは、世界中で資金のチェックが厳しくなったこと。スイスなどタックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれた国・地域への締め付けが厳しくなり、課税回避を狙った資金などを安心して置いておける場所がなくなった。スイスは、銀行の顧客情報を税務当局にすら開示しない「銀行守秘義務」のルールを伝統的に守ってきたが、米国などの猛烈な圧力によって風前の灯となっている。

 つまり、移住してまでタックスヘイブンに資産を移す意味合いが薄れたのだ。そんな中で、金持ちが資産を守るのに最も安全な国はどこか。高所得の起業家やビジネスマンを守ってくれるのは、やはり、資本主義の砦でもある米国だろう、というわけだ。そんな発想から米国への移住が増えているのだという。気候も温暖で日系人も多いハワイやカリフォルニアが人気らしい。

世界の富裕層の移住が増えているという米国・ハワイ州。日本が選ばれるための課題は何か……(提供・アフロ)

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