2024年11月23日(土)

BBC News

2024年11月1日

スペインの集中豪雨による洪水は、10月31日時点で死者が少なくとも158人に上り、同国で過去最悪レベルの被害となっている。被災地では生存者発見が時間との闘いになっている。

当局は今回の豪雨と洪水を「前例がない」としている。スペイン気象庁(AEMET)によると、バレンシア市に近い町チバでは、8時間のうちに1年分に相当する量の雨が降ったという。

洪水の原因はさまざまだが、気候変動による温暖化が異常降雨の可能性を高めている。

気象研究者らは、今回の豪雨が「ゴタ・フリア」によって引き起こされた可能性が高いとしている。「ゴタ・フリア」とは、スペインで秋と冬に発生する自然気象現象で、地中海の暖かい海水の上に冷たい空気が流れ込むことで起きる。

しかし、地球の気温が上昇したため、雲がより多くの雨を運ぶようになっていたと、科学者たちはBBCに説明した。

世界の気温は、世界経済の工業発達が本格化する以前(1850~1900年)より約1.1度上昇している。世界中の国々が温室効果ガスの排出量を大幅に減らさない限り、気温は上昇し続ける。

温暖化の影響を研究する国際的な科学者グループを率いる、英インペリアル・コレッジ・ロンドンのフリーデリケ・オットー博士は、「今回のような爆発的な豪雨は、まぎれもなく、気候変動によって激化したものだ」と話した。

BBCのマット・マグラス環境担当編集委員が解説する。

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/ce89y2gr4w6o


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