2025年1月9日(木)

脳が長持ちする会話

2025年1月7日

 思想信条にまつわるような話は、あえて人にしないでおこう、特に職場では避けようという傾向が昨今強くなっているように感じます。思想信条に限らず、自分が熱く語りたい推し活や趣味の話も、あからさまに話すと偏見を持たれる可能性がある。そういうリスクは取らず、波風の立たない人間関係が良い関係と感じる人が増えているのでしょう。

 雑談が、とても難しいものになっているように感じます。

雑談をハラスメントにしない方法はある

 このできごとのように、仕事の関係者とふとした会話がきっかけで自己開示し合え、人間関係が深まるようなこともあります。しかし、どこまで話したり尋ねたりして良いものかと考え過ぎて働きかけるのをやめたり、無難な「大人の会話」で切り抜けようとすることが当たり前になり過ぎていないでしょうか。

 最近よく、「休日は何をしているの?」という質問すらハラスメントになるので聞けないという声を耳にします。職場の人が尋ねたならプライベートに踏み込むことになるし、仕事の間柄でなくても、うっかりめったなことを尋ねて気分を害されたり、攻撃だと受け取られたりするようなことは避けたい。自分は世間話の範疇だと思っていても、相手が「プライベートまで踏み込んで来た」「ハラスメントだ」と捉えてしまう可能性は多分にあります。

 特に日本人には、「秘すれば花」を美徳とする意識があります。黙っていればどの程度の人間なのか悟られないけど、話すとレベルが知れてしまう。なので、黙っていたほうが賢い。そう判断して自己開示を避けようとするケースも少なくないでしょう。

 雑談の難しさが身に沁みていると、そもそも人にどう接するのが正解なのかわからなくなっていきます。しかし、コミュニケーションを試みることなくなんとなくその場をやり過ごし、「面倒だから関わらない」を決め込むのは、認知機能の面からすると良いこととは言えません。

 

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