世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年3月31日

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 ただ、クリングナーは、従来、北東アジアの平和と安全にとっての日米同盟の重要性を指摘しており、この論説も、その一線は守っています。そして、韓国に対しても言うべきことは言っています。確かに、韓国がクリングナーの言う通りに行動してくれれば、日韓関係は改善されるでしょう。特にGSOMIAの締結は、日韓修復のシンボルとなるだけでなく、東アジアの日米間協力体制の強化に貢献するでしょう。

 問題は、米国が、日本に対して歴史問題で明確に圧力をかけるように、という提言です。これは、オバマ訪日の際の日韓のせめぎ合いの対象となるでしょう。日本としては、オバマ訪日は、集団的自衛権の行使、その上に立つ日米ガイドラインの改定、普天間移設問題の解決など、日米同盟強化の政策を謳い上げる場とすべきであり、歴史問題が少しでも議題となることは避けるべきです。これに対して、韓国は米国が歴史問題を取り上げることを強く希望することが予想されますが、韓国の朴槿恵大統領が、おそらく米国の強い意向を受けて、日米韓首脳会談に応じたことは、建設的な方向性が多少見えて来た徴候と言えるでしょう。

 他方、これまでのところ日米韓・日韓の海上共同演習は継続しており、日韓関係は、政治関係が悪くても軍事関係は比較的安定しているという、かつては想像もできなかった状況が生まれています。長期的には、北東アジアの安全にとって不可欠な、日米韓の安全保障協力の進展には、それほど悲観的にならずともよいのでしょう。

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