世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年4月25日

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 中国の攻撃的行動は、ASEANを挑戦に立ち向かうように仕向けていない。ASEANの行動を変えるためには、米国がASEANにより強い圧力を加えることが求められる。

 クリントン元国務長官がしたように、米国は南シナ海での自国の利害を明確に主張すべきである。クリントン長官は、海洋への主張は土地への主張に基づくべきだとした。ASEANもそう主張すべきだし、国連海洋法仲裁裁判所にかかっている事例ではフィリピンを支持すべきである。

 中国の台頭にどう対処するかが、今後数十年、西太平洋の問題である。東南アジアとの関係でも、それが中心的課題である。米国の利益や長期的平和と繁栄につながるように、ASEANが中国の挑戦に応えるためには、米国の圧力を必要とするのである、と述べています。

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 このローマンの意見陳述は、ASEAN諸国が中国と協調しがちであるが、米国の国益のためには、そうならないようにASEANに圧力を加える必要があると率直に指摘したものです。大方、賛成できる意見です。

 ただ、対ASEANアプローチでは、圧力よりもインセンティブを重視し、誘導していく方がより効果があると思います。

 また、クリントン元長官のように、米国が何を国益と考えるのかを明確に示すことは重要です。

 ASEANは、意思決定がコンセンサス方式で、内政不干渉であり、メンバーの政治体制も異なるので、対中政策で共同歩調を取って対処できるような組織ではありません。ASEANの強化は支援すべきですが、対中政策では、個別のASEAN諸国との関係を重視していくしかないのではないでしょうか。インドネシアとベトナムがASEANの強国であるので、この両国と対中政策について協調することを試みていくことが有益であると思われます。
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