2025年12月11日(木)

BBC News

2025年11月19日

ヤズミン・ルフォ記者、ミシェル・ロバーツ記者

ほとんどすべての人が、いつかは頭痛を経験する。

頭痛は数分から数日にわたって続く。痛みは鋭いもの、鈍いもの、ズキズキするもの、刺すようなものがあり、時には頭皮や顔、さらには首にまで広がることがある。

BBCの健康ポッドキャスト番組「ワッツ・アップ・ドックス」で司会を務めるザンド・ヴァン・タレケン医師は、この感覚をよく知っていると話す。ヴァン・タレケン医師は月に1回、あるいは6週間ごとに頭痛を経験する。それは「誰かが自分の眼球にドリルを入れているような感覚」なのだという。

ひどい頭痛を経験すると何が原因について、私たちは動揺しがちだ。しかし、何か深刻な原因によるというのはまれだと、英国立偏頭痛センターの専門家で、一般診療医でもあるケイティー・マンロー医師は言う。

「何か深刻な異常があるのではと心配するのは自然なことだが、その可能性は実際にはとても低い」

マンロー医師は、「初めての頭痛や過去最悪の頭痛なら、医師にみてもらうべきだ」と助言する。一方、軽度で繰り返す頭痛のパターンがある場合は、かかりつけ医に相談するだけでなく、自宅で試せる簡単な方法もいくつかあるという。

生活への影響を測る

ヴァン・タレケン医師は、頭痛の原因を理解することは意外なほど有用だと話す。頭痛には単一の原因がないことが多いため、日記をつけるとパターンや誘因を見つけやすくなるという。

一部の人にとっては、雷鳴や稲妻といった天候が引き金になることがある。光への感受性が原因になる場合もある。

「私にとって最悪なのは、秋に車を運転していて、太陽の位置が低く、木々の間から太陽がちらつく時だ(中略)そういう時は本当に頭痛がひどくなる」とマンロー医師は言う。

日記では、次の項目を記録するといい。

・頭痛が始まった時に何をしていたか

・何を食べたり飲んだりしたか

・睡眠の質

・天候

・女性の場合は月経周期を記録すること。頭痛はホルモンの変化と関係している可能性がある

ただし、やり過ぎないように――と、マンロー医師は注意する。

「私は詳細に書きすぎてしまい、それで憂うつになってしまった。それよりも簡潔な書き方で、1から10までの数字でその日の影響をまとめるといいと思う」

「また、悪い日だけでなく、頭痛がまったくない日を記録するのも役に立つ」

日記の記録を後から医師が確認することで、パターンを特定しやすくなる。

カフェインを賢く使う

頭痛になったら直ちにカフェインを避けるべきだと、そう思うかもしれない。しかし、マンロー医師によると、ことの真相はもっと複雑で繊細だ。

日常的にカフェインを過剰摂取していないのなら、少量を慎重に取り入れれば、カフェインで鎮痛薬の効果を高めることができるという。

「カフェインは補助鎮痛薬で、鎮痛薬の効果を増強できる」と、マンロー医師は説明した。ただし、午後や夜の摂取は、睡眠を妨げるかもしれないので避けた方がいい。

また、自分のカフェイン摂取を全体として考えてみるのも、役に立つ。毎日大量に摂取するとカフェイン過剰による頭痛を引き起こす可能性がある。一方で、突然やめると、離脱性頭痛になることもある。

食事を抜かない

頭痛に悩んでいる場合、何を食べるか、そしていつ食べるかで、違いが出るかもしれない。

マンロー医師は、エネルギーレベルを安定させる助けになるとして、たんぱく質、健康的な脂質、複合炭水化物が豊富な、地中海食に似た食事を推奨している。

即効性のある砂糖を含むスナックは避けるべきだ。また、食事を抜くことは一般的に、頭痛の誘因となるため、抜いてはいけない。

マンロー医師は、自分の頭痛が乳製品とグルテンを除くことで改善したと述べているが、これは万人に当てはまるわけではない。

「規則正しく食事をして、職場に昼食を持参したところ、違いが実感できた」とも、マンロー医師は言う。

さらに、食事に加え、定期的な運動、良質な睡眠、ストレス管理、そして水分補給も頭痛の軽減に役立つと、マンロー医師は述べている。

日中に十分な水分を摂ることで、尿を淡く透明な色に保ち、喉の渇きを感じない状態にすることが必要だ。

コデインの入っている鎮痛薬は避ける

「痛み止めや吐き気止めなど、頭痛の管理に役立つ市販薬は多くある」と、モンロー医師は述べている。

一方で、「コデインを含むものは避けるべきだ」とモンロー医師は警告する。これは一部の頭痛が頻発するようになり、吐き気などの症状を悪化させる可能性があるためだ。

「鎮痛薬は非常に効果的に作用することがあるが、それは頭痛の重症度に依存する。もし頭痛が前より頻繁になったり、痛みが強くなったりしている場合は、かかりつけ医がもっと適切な薬を見つける手助けをしてくれるだろう」と、モンロー医師は述べた。

また、反跳性頭痛(薬物乱用性頭痛、薬物誘発性頭痛とも呼ばれる)のリスクを減らすため、鎮痛薬を週に2日以上、定期的に服用しないようにすることも大事だ。

(英語記事 How caffeine can help you manage headaches and other tips

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cdxr1l45g57o


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