会談後の記者会見で握手するウクライナのゼレンスキー大統領(左)とアメリカのトランプ大統領(28日、米フロリダ州)
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とアメリカのドナルド・トランプ大統領は28日、米フロリダ州にあるトランプ氏の私邸マール・ア・ラーゴで会談し、ウクライナでの戦争の和平案について協議した。終了後の共同記者会見で、両氏は「素晴らしい」協議だったと述べ、合意が間近だとの見解を示したが、難しい問題が残っているとも説明した。
記者会見でトランプ氏は、「素晴らしい会談」だったとし、合意に「かなり近づいている、おそらく非常に近い」と感じていると述べた。
ゼレンスキー氏は、トランプ氏に「素晴らしい会談」への謝意を表明。焦点となっている20項目の和平案について、「90%」合意に達していると話した。
ウクライナが求めている安全の保証に関しては、ゼレンスキー氏は「100%合意された」と説明。「永続的な和平実現の重要なポイント」だとした。ただ、「協議されている全ての点について最終決定する」ため、双方の交渉団が引き続き作業すると付け加えた。
一方、トランプ氏は安全の保証について、「95%近くまとまっている」と述べた。
トランプ氏はまた、「非常に難しい問題が一つか二つ」残っており、領土問題が最も難しいと説明。それでも合意に「大きく近づいている」とした。
トランプ氏は、「領土の一部は奪われた。奪い合いとなっている部分もあるかもしれないが、今後数か月のうちに奪われる可能性がある」と発言。「いま合意した方がいい」とし、「(ウクライナは)非常に勇敢で(中略)甚大な損害を与えた」が、「もう紛争を終わらせる時だ」と付け加えた。
戦争終結まであとどれくらいかかるのかと質問されると、トランプ氏は「数週間」で終わる可能性があると返答。だが終結しない可能性もあるとし、「どちらなのかは数週間後にはわかる」と述べた。
領土問題で焦点となっているウクライナ東部ドンバス地方に「自由経済区」を設ける案についても、トランプ氏は「未解決」だとした。
ゼレンスキー氏はドンバス地方について、ウクライナの立場は「非常に明快」だとし、ロシアとは異なると述べた。
ゼレンスキー氏は最近、領土問題や自由経済区の設置について、国民投票が必要だとの考えを示している。また、国民投票の実施には一定期間の停戦が条件になるとしている。
トランプ氏は記者会見で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、停戦には同意していないと話した。
ウクライナの復興をめぐっては、トランプ氏は、ロシアが「協力するだろう」との考えを示した。また、自身がウクライナを訪れる可能性もあるとし、合意成立後が望ましいとした。
トランプ氏はさらに、ロシア、ウクライナ、アメリカが「適切な時期に」会談できると信じていると、三者会談の可能性に言及。「実現を(プーチン氏も)望んでいる」と述べた。
トランプ氏によると、この日のゼレンスキー氏との会談に先立ち、トランプ氏はプーチン氏と電話で2時間半話したという。ロシアが支配下に置いているウクライナのザポリッジャ原発も話題に上ったとし、プーチン氏が同原発を「オープン」にすることに前向きで、ウクライナと協力していると述べた。
フロリダ州で首脳会談を取材しているバーント・デブスマン・ジュニア記者は、トランプ氏もゼレンスキー氏も具体的なスケジュールを示さず、今後数週間以内に双方の交渉団が再び協議するとしたことが、この日の協議で注目すべき点だと伝えた。
両氏はこの日、欧州指導者らとの電話協議にも臨んだ。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、「1時間にわたる良好な電話協議をした」とXに投稿。「ヨーロッパはこの進展を確固としたものにするため、ウクライナおよびアメリカのパートナーと引き続き協力する用意がある」とした。
また、「確固たる安全の保証が1日目から始まること」が「この取り組みにとって最も重要」だと付け加えた。
(英語記事 LIVE: Trump says progress made after Ukraine peace plan talks but 'thorny issues' remain)
