2022年9月28日(水)

ヒットメーカーの舞台裏

2014年9月15日

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池原照雄 (いけはら・てるお)

ジャーナリスト

1950年生まれ。専門紙や全国紙の経済記者として自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリーになり幅広い執筆、講演活動を展開。著書に「トヨタVSホンダ」(日刊工業新聞社)、「図解雑学 自動車業界のしくみ」(ナツメ社)など。

梅澤裕樹さん (Hiroki Umezawa)
(キリンビバレッジ マーケティング部担当部長) 1970年生まれ。93年早稲田大学理工学部卒業後、キリンビール入社。群馬県で7年間営業に従事した後、2004年から広報部およびIR部門に。09年キリンビバレッジに移り経営企画部を経て、12年からマーケティング部。同部で今回が初めての新製品。

 社内では、この90%カットで「テスト販売を」という声も上がっていたが、梅澤は待ってもらいながら「ゼロ」の商品化を探っていった。数字上は10%の違いでしかないものの「ゼロがもたらすインパクトは大きい」と確信していたからだ。

 ユーザーを対象にした清涼飲料全般でのカフェインに関する意識調査を改めて行う一方、社内でもスーパーやコンビニ、自販機といった各営業ルートの担当者らと念入りな議論を重ねた。社内では男性を中心に「ゼロ」に疑問を抱く声が少なくなかった。一方でユーザー調査ではカフェインの摂取は「なるべく少量にとどめたい」という人が女性では51%に達し、男性でも33%だった。社内ではゼロを支持する女性社員の声も後押しとなり、「覚悟を決めて」ゼロに進んでいった。

 問題はゼロにした時の味や風味。梅澤はグループの研究所に、カフェインを除去する吸着剤の再調整を依頼し、味の改良につなげるようにした。同時にビバレッジの研究所では茶葉のブレンドや抽出法などから徹底追求してもらった。ほぼ1年をかけ、「多くの方に自信をもって飲んでいただける味」に行きついた。(敬称略)

◆Wedge2014年8月号より









 

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