値上がりを続けるディーゼル油
米国のガソリン、ディーゼル油は、イラン戦争開始以降上昇を続けている。図-5の通り、ディーゼル油の価格上昇が、原油価格の上げ幅を大きく上回る上昇率となっている。
イラン戦争開始前の2月下旬と9月下旬の価格を比較すると、原油価格(WTI)は1.58倍、ガソリン価格は1.55倍だが、ディーゼル油は1.71倍と大きく上昇している。 原油と石油製品価格の差を示すディーゼル油の精製マージンは、2月末のバレル当たり90ドル台から170ドルを超えた(図-6)。
ディーゼル油は、トラック、船舶、鉄道、農機具などに利用され、代替手段が限られるので、価格が上昇しても需要が落ちない。
イラン戦争による中東の製油所からの出荷減少に加え、ウクライナのドローンによるロシアの製油所への攻撃は、世界的な供給量の減少とディーゼル油の価格上昇を引き起こした。
ディーゼル油の価格上昇は農機具を使用する農業の大きなコスト上昇につながり、農家の経営を圧迫する。
共和党は下院、上院を握るが、中間選挙では、全員改選の下院に加え、3分の1改選の上院でも民主党に多数派を譲るとの観測が強くなっている。
共和党が地盤とする中西部の農業州の共和党議員も安閑としてはいられない。中間選挙に影響するとしてディーゼル油価格上昇への対策を求める声が、共和党議員からあがった。
値上がりはウクライナのせいか
トランプ大統領は、9月13日、訪問先のアイルランドで「ディーゼル油高騰の原因はロシアの製油所に対するウクライナの攻撃のため」とし、ウクライナのゼレンスキー大統領に対し、ロシアの製油所への攻撃を止めるように要請した。
ゼレンスキー大統領は、ロシアがウクライナのエネルギーインフラへの攻撃を中止するのであれば、ウクライナも中止すると同意し、ロシアも同じ対応に同意したが、両国の攻撃は止むことなく、攻撃中止は実現しなかった。仮に実現しても、その効果は限定的だった。


