2025年12月5日(金)

Wedge REPORT

2025年8月28日

 2025年7月25日に開業したテーマパーク「ジャングリア沖縄」は、沖縄本島北部というこれまでの沖縄における主要観光地とは異なる場所に位置し、その推進体制、事業規模や資金調達の特性から、沖縄観光の新たな起点となることが期待されている。筆者はオープンから1カ月以内でまだオペレーションがこなれてはいないタイミングで一般観光客として訪問してみた。天候の関係でダイナソーサファリとスプラッシュ・フェスしか直接体験できなかったのだが、観光とテーマパークという観点からジャングリア沖縄について考察してみたい。

開業したジャングリア沖縄(産経新聞社)

潜在性は高い

 最初にジャングリア沖縄への所感を述べておくと、「本物の贅沢感と一生モノの大興奮、この2つのベクトルを合成したPower Vacance!!」という告知・コメントまではまだ実現されていないものの、今後の潜在性は大きいという印象であった。世間で伝えられている批判的なコメントほど悪くはなく、いくつも改善点はある中で十分に楽しむことができる。

 今回はレンタカーでジャングリア沖縄のみに2回訪問した(SPAは訪問していない)。午前・午後ともアクセスはスムーズであった。暑さ対策はある程度はなされているが、雨等への対応は必要だろう。スタッフは皆、気持ちの良い対応であった。残念ながら美味しさにこだわっているというパノラマ ダイニングはランチ108人待ちで諦めた。

 沖縄の近辺がすでにジャングル感を持つため、ジャングリア沖縄内の自然の特別感は現状やや弱い。いかに没入的な特別感を出すか、恐竜推しであれば福井の恐竜博物館のマニア感やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のイベント感とどう差別化するのかという懸念もある。

 ただ、こうしたアトラクション系は今後徐々に改善・改革・追加されていくと想像される。成功しているテーマパークでも様々な紆余曲折を経て成長しており、ジャングリア沖縄はその周辺環境を含めて事後には変えにくい基本的なインフラが良く、持続的に改善できれば大いに期待できると感じた。単体のテーマパークとしてだけでなく、沖縄における新たな観光文化創造の発信源という位置づけとして認識することで他地域にも参考になるだろう。


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