先の大戦の終戦から80年を迎え、今年6月に行われた「沖縄全戦没者追悼式」において石破茂首相は沖縄県民が被った戦災の大きさに言及しつつ「平和で豊かな沖縄の実現に向けて力を尽くすことは、国家の重要な責務であります」と述べている。また、それに先立つ5月には「自民党沖縄振興調査会」においては、沖縄は「一人当たりの県民所得や子供の貧困等解決するべき問題が山積み」であるとして国家戦略として沖縄振興に取り組むべきであると提言している。
このように、沖縄社会の発展と改善は日本にとって重要な政策的課題であるとされている。そこで、今回は戦後80年を経るうちに変化した沖縄県の社会を人口構造の面から見てゆくこととしよう。
日本で一番若者比率が高い地域は?
日本で、一番高齢化の進んだ地方は東北地方である。直近の2024年10月1日時点での「推計人口」(総務省)によれば、日本で高齢化率(65歳以上人口÷全人口)の高いベスト5は、秋田県、高知県、岩手県、徳島県、山形県となる。実に5県中3県が東北地方で占められている。
1位の秋田県は現在の高齢化率は32.4%とおよそ3人に1人が高齢者であり、2050年には49.9%となりほぼ「2人に1人が高齢者」になると予想されている(「日本の地域別将来推計人口 令和5(2023)年推計」(国立社会保障・人口問題研究所))。この結果は「東北地方や四国地方は過疎化が進んでいるのではないか」という読者のイメージと違わぬものであろう。
では、逆に人口に占める若者の比率が高いところはどこ? という答えに、皆さんは「それは若者の多い東京」と答えるであろう。確かに、高齢化率の最も低い地域を順にランキングすると、東京都、沖縄県、愛知県、神奈川県、滋賀県となる。では、東京では「子どもがたくさん生まれているか」となれば、その答えは「No」である。
