グローバルな視点とローカルな思考
さて、話は夏祭りに戻ります。夕方5時に会場であるデリー日本人学校に行きました。校舎に美化委員便りなどのお知らせなど掛かっている懐かしい日本の学校です。校庭の真ん中には祭やぐら(英語の案内では、”Bon Dance Stag”)が設けられていて、周囲にはインドに進出している日系企業が屋台を出しています。焼きそば、たこ焼き、駄菓子に、お面、そして、もちろんビールもあります。
さっそく、芝生にレジャーシートを敷き、たこ焼き片手にビールを飲むことにします。公共の場所で飲むことが出来ないインドに来て、初めて外で飲みました。まだまだ蒸し暑いインドの空の下で、冷えたビールのうまいこと。インドに限らず、公共の場(公園や電車内)で飲酒できない国は多いので、どこでも飲める日本は安全で良い国だなあなんて思い、スピーカーから流れるサザンを聴きながら、日本の夏に思いを馳せます。時折、同じマンションの方や娘の学校が同じ人がやってきて、挨拶をしたり、一緒に飲んだりしました。娘もいつも遊んでくれる友達に会えて、嬉しそうでしたし、盆踊りの時間になると自分から、踊りの輪に入って、ニコニコとしているのを見て、やぱりコミュニティーは大事だなと思いました。
そして、娘にはグローバルな環境で育ちながらも、日本や自分のルーツを大事にするローカル思考も身につけてもらって、“グローカル”な子に育ってもらえたらなあ、そのためには親としてどんなことをしてあげられるのかなあ、などとビールを飲んだ頭で考えたりもしました。インドに来てから、娘もどんどん言葉を覚えて、最近、土日に朝寝坊をしようとすると、「パパ、起きて、起きて」と言われます。その言葉に、親としても本当に起きる、つまり子どもの将来のことをもっと考えて、遊んであげたり、しつけをしたりしないといけない時期が来ているように思い、ハッとします。
家族が来る前は、会社以外の日本人の方とのお付き合いはあまりなかったのですが、こうして家族を通じて、在インド日本人町内会に入れてもらえたので、ご近所付き合いを楽しみながら、しっかりと子育てをしていきたいと思っています。
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