地域再生のキーワード

2015年2月4日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年東京生まれ。1987年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め、2011年3月末で退社、独立。現在、経済政策を中心に政・財・官を幅広く取材、各種メディアに執筆するほか、講演やテレビ出演、勉強会の主宰など幅広く活躍している。オフィシャルHP(http://isoyamatomoyuki.com/)

著書に『2022年、「働き方」はこうなる』(PHPビジネス新書)、『理と情の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP)、『国際会計基準戦争 完結編』(日系BP)、『ブランド王国スイスの秘密』(日経BP)など。共著に『オリンパス症候群 自壊する「日本型」株式会社』(平凡社)、『株主の反乱』(日本経済新聞社)などがある。

早稲田大学政治経済学術院(大学院)非常勤講師、上智大学非常勤講師。ボーイスカウト日本連盟理事。静岡県ふじのくにづくりリーディングアドバイザーも務める。

日経ビジネスオンライン(日経BP)、現代ビジネス(講談社)、フォーサイト(新潮社)、月刊 WEDGE(ウェッジ)、月刊 エルネオス(エルネオス出版)、フジサンケイビジネスアイ(産経新聞社)などに連載コラムなどを持ち、定期執筆している。

 だが、三浦さんは農業の厳しい現実にも日々直面している。丹精込めたナスに「愛の葉」ブランドを付け、直売会で売れば比較的高い値段で売れるのだが、農協(JA)に出荷しても、傷があれば二束三文。「悲しくなってしまうほど安い」という。儲からない農業の現実がそこにあるのだ。

ガールズ農園の松本さん夫婦

 6次産業化の常道である加工品にも取り組んでいる。傷モノのナスをからし漬けにしたり、みかんのジュレを作ったりしている。加工品の企画・販売はまだまだ開拓の余地がある。愛の葉ガールズと組み合わせて、どうやって全国に愛媛の農産物・農産加工品を売っていくか。知恵はまだまだ必要だ。

Data 愛媛県
農業:愛媛県の農業産出額は1272億円(2011年)で全国25位であるが、みかんの生産量が全国2位、いよかん1位、キウイフルーツ1位、でこぽん2位、レモン2位と果物類では全国トップクラスの生産量を誇る。
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 農業法人によって農業の現場に入った佐々木社長は、日本の農業の根幹に大きな問題が存在することに気付いたという。「農協さんがすべてやってくれるため、農家の経営能力が著しく低下してしまった」というのだ。成功している大規模な農家を除き、ほとんどの農家が「自分たちで何とか道を切り開こうという意欲がなくなっている」と語る。そんな沈滞ムードに活を入れ、新しいアイデアをどんどん出していくのがhプロジェクトと愛の葉ガールズの使命だというのだ。愛の葉ガールズは、自分たちの農園やhプロジェクトの事業だけのために活動しているわけではない。地域の農業全体の再生を目指している。

 佐々木社長には、実現を目指すひとつのプランがある。農業に関心を持つ若者を増やすために、カッコイイ農作業着を開発してファッションショーを大々的に行いたいというのだ。麦わら帽子にタオルで頬かむり、作業着とモンペという“伝統的な”スタイルを一変させ、若者があこがれるお洒落なファッションを当たり前にすれば、農業に就こうという若者が増えるのではないかというわけだ。もちろん、モデルは愛の葉ガールズ。お洒落な農作業着で全国を公演行脚する日が早晩やって来るに違いない。

◆Wedge2015年1月号より









 

  

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