2024年11月22日(金)

炎上?感動?ネットで話題のニュース

2015年3月10日

 そして2015年3月5日、「Woman Will」はこれまでの活動を踏まえて、女性の仕事復帰を応援するプロジェクト「#HappyBackToWork」をスタートさせた。同名の特設サイトでは仕事を離れた女性の職場復帰を応援するアイデアを一般から広く募集しており、それを企業や団体が実践する段階にまで「見える化」している。3月9日時点ではGoogleのトップ画面に同名の特設サイトのリンクが貼られ、多くの人がアイデアを投稿した。

#HappyBackToWork特設サイト
https://www.womenwill.com/japan/

 それぞれのアイデアを応援する声も多数。「実践中のアイデア」にはリクルートグループ、ベネッセ、全日本空輸といった大手企業の取り組みも紹介されており、企業や団体がこういった活動を宣言する場も設けられている。

女性の社会進出に必要なもの

 同サイト上に挙げられているアイデアを個別に見ると、労働時間削減に関するアイデアやPTA・保育所に関するアイデア、「子連れ専用車両」の導入アイデアなど、バリエーションに富んだ内容が投稿されている。なかでも「小児科の受付時間は、20時まで」など、実際に働きながら子育てをしている人の現実的な悩みから生まれる声が、多くの賛同を得ているようだ。

 こうしたアイデアを見ていると、女性の社会進出の促進には大きく分けて4つの要素が必要なことがわかる。(1)企業の勤務体制の柔軟化、(2)学校や保育所の受入れ体制の改善、(3)近隣住民や親戚も巻き込んだ育児環境の整備、そして(4)夫婦平等の子育て体制の確立だ。

 いずれも子どもの両親だけでなく、社会全体の協力が求められるものばかりだが、サイト上でとくに目立つのは「男性も育児の大切さをわかってほしい」という声だ。「会社の男性役員に1日保育士体験を!」、「“男性”を仕事から解放しよう」といったアイデアが多く出ており、「子育ては夫婦でするもの」という認識が高まっていることを改めて実感する。

 「男女平等の社会」と言われると、「女性が社会に出て行くこと」と考えがちだが、本当の意味で「男女平等の社会」になるためには、「女性が社会に出て行くこと」と「男性が家庭に入ること」のバランスが必須だ。本当の平等とは性別に関係なく、どちらも同じような責任と負担を背負うことにあるのだと考える。いま話題になっている「イクメン」という言葉がはやっているうちは、そこに「男女平等の社会」は存在しない。はやり言葉が必要ないほど、男性が家庭に入ることが当たり前になっている時代が求められているのだ。

 社会をより良い方向に変えていきたいと思う人は、特設サイトにアイデアを投稿してみてはいかがだろうか。その声が企業や団体、そして国へと届くきっかけとなるかもしれない。

  
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