香川県、象頭山(ぞうずさん)の中腹に鎮座する金刀比羅宮(ことひらぐう)は、「讃岐(さぬき)のこんぴらさん」の愛称で知られる古社。海の神様として信仰を集め、「こんぴら参り」は江戸時代の庶民の憧れだった。数々の重要文化財を含む文化財の宝庫としても知られ、その数は3000点を超える。このたび金刀比羅宮の名宝が、大阪のランドマーク、あべのハルカスにやってくる。
本展はあべのハルカス美術館の開館1周年記念に開催される特別展覧会で、会場には金刀比羅宮所蔵の絵画、彫刻、民俗資料など約120点が展示される。ハイライトは、江戸時代の絵師、円山応挙(まるやまおうきょ)や伊藤若冲(じゃくちゅう)の障壁画だ。金刀比羅宮の表書院の広間を飾る「遊虎図」は、応挙が晩年に描いた作品で、重要文化財に指定されている傑作のひとつ。また、通常非公開の奥書院に秘蔵されている、緻密に描いた草花を整然と配した若冲の「花丸図」も見逃せない。
このほか、宝物館にある「木造十一面観音立像」(重文)や、狩野探幽(たんゆう)、尚信(なおのぶ)らによる「三十六歌仙額」、さらに、日本の油絵の先駆者、高橋由一(ゆいち)の27点におよぶ所蔵作品から、「豆腐」などが出品される。こんぴらさんの名宝をまとめて鑑賞できる、またとない機会となる。
昔も今も、こんぴらさん。─金刀比羅宮のたからもの─
<期間>5月22日~7月12日 *会期中、展示替えあり
<会場>大阪市阿倍野区・あべのハルカス美術館(大阪環状線天王寺駅下車)
<問>☎06(4399)9050
http://www.aham.jp/exhibition/future/konpirasan/
*情報は2015年3月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください
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