トレーニング中の著者
低価格の安売りでもっとも怖いのは、提供する側の商品・サービスに対するこだわりやプライドが失われてしまうことだ。安さのみが全面に出てしまうと、品質やサービスの劣化が起こりやすい。これはかつて連続した中国産食物トラブルでも明らかだ。
「客を選ぶ」とまで表現すると行き過ぎかもしれないが、「この高品質をわかる客にだけ来てほしい」という強烈な思い入れがないと、高価格は成立しない。
輸出を大々的に展開する大企業はさておき、規模の小さいビジネスでは「わかる客だけ来てほしい」で商売が成立する。見方を変えればそうやって客を選べるのが小規模ビジネスの強みだ。こうした「こだわりの高価格路線」こそが小さいビジネスに向いているのだ。小さいビジネスがマクドナルドやニトリの真似をして安売りしている場合ではない。
今回取りあげたフィットネスでも、結論は前回のホテルと同じところに落ち着きそうだ。値下で低価格路線に進むなら、それに耐えうるビジネスモデルの再構築が必要。そして値上で高価格路線に進むなら、それなりの「こだわり」が必要。ただライバルに合わせて値下げする中途ハンパな値下げが一番よくない。
・・・・と、そんなことを身も心も鍛えつつ、考える私でした。
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