定年バックパッカー海外放浪記

2016年3月6日

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アート系学部の女子と市内見物に

王宮の庭のモダン・アートのオブジェ

 安宿街の角の道端で商いをしている老婆の作った名物「フン・ボー・フエ」(きしめん風米麺に肉とネギなどをのせスパイシーなスープをかけたもの)を食べ終って「さあ、どこに行こうか?」とあたりを見廻したら東洋系の色白の“いい感じの女子”と目が合った。「ニーハオ」と呼びかけると返事がない。「フエアーアーユーフロム?」と聞くと意外にも「ジャパン」と。ホットパンツからきれいな脚をだしているので中華系と想定したのだが(注:ホットパンツをはいて東南アジアをバックパッカー旅行している日本女子はあまり見かけない)。

 偶然にも彼女もどこに行こうか思案していたとのことで、やはりフエでもっとも有名で、しかも近場にある“阮朝王宮”に赴くことに。フォーン川の鉄橋を渡り王宮の外壁に沿って歩く。まだ8時半と早い時間帯なので観光客も少なく閑静な散歩道をゆっくりと散歩してから王宮に入る。

チャーシュー、フライドポテト、トマト、パクチーなど具沢山のベ トナム雑炊

 カオリンはアート系学部の3年生で21歳。丁寧に下調べをしてきているらしくフエでは何を見るとか何を食べるとか楽しみにしている様子だ。この王宮はかなり面積が広くしかも歴史的建築物が年代別に色々あってなかなか興味深い。新しい宮殿は明治大正年間に建造されている。フランス統治下でも王朝が一定の権威を与えられて機能していたようだ。この時代には隣国である中国の清朝のベトナムへの支配権は実質的に消滅している。そのような歴史的経緯を無視して南シナ海の領土問題を論じる時は清朝最盛期の版図を持ち出す中国共産党の唯我独尊的歴史観には呆れてしまう。毛沢東は「銃口によってこそ歴史は作られる」と言ったが、現代中国共産党も教えをしっかりと踏襲して「無理を通せば道理が引っ込む」を実践しているようだ。

 カオリンは「何でも見てやろう」精神が旺盛で広い王宮を嬉々としながら歩き回る。12時近くまで歩き回ってから外に出て今度はカオリンのお目当ての焼きバナナを食べに行くことに。30分ほど探してそれらしいお店を発見。“焼きバナナチョコレートソース添え”を食す。可愛い女子が感激して美味しそうに食べるのを見ているとこちらまで美味しく思ってしまう。それからさらに路傍の屋台でおばさんが作っているベトナム的な雑炊のようなものを食して宿に戻った。

 ⇒第4回に続く

  
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