「まるごとにっぽん」のコンセプトは、ここへ来れば、「にっぽんの暮らしが分かる」というもの。全国各地から、飲食店9店、物販店39店など50のお店を集めた
1階には、全国の産地直送の生鮮品や食材、惣菜などを扱うショップが集結。2階には各地の手作りの工芸品や生活用品、雑貨などを扱うお店が並ぶ。4階の飲食店街には東京初出店の郷土食のお店などが目玉として入った。
中でもユニークなのが3階の「浅草にっぽん区」。全国20の市町村がそれぞれブースを設け、おらが町のPRや特産品の販売を行う。隣接する「CaféM/N」では各地の生産者と直結して旬の食材を使った料理を出す。オープンから1カ月は、この連載でも取り上げた熊本県菊池市がテーマだ。ちなみにM/Nは「まるごとにっぽん」の頭文字で、この施設の中核的な存在であることを示している。
このカフェを運営するのも、浅草六区の「場の力」に引き寄せられた人物である。水代優・グッドモーニングス社長。丸の内の地域づくりで実績を積み、神奈川県葉山の海の家でオシャレなカフェの最先端を作り上げた。神田淡路町の再開発ビル「ワテラス」で新旧の住民をつなぐ拠点づくりも成功させた。人気の町おこし専門家である。
その水代氏が「これまでの集大成です」と語るのが「CaféM/N」なのだ。運営会社「まるごとにっぽん」の小笠原功社長と意気投合。カフェのコンセプトづくりから営業までを託された。「まるごとにっぽん」全体のウェブサイトのプロデュースも任され、施設全体への集客の一端を担っている。
「ディスカバー・ユア・ネクスト・ジャーニー(次の旅先が決まる場所)がコンセプトです。全国各地のすばらしい食材に出会うことで、生産者の思いや技術に触れ、よしここへ行ってみようと旅先を決める。そんな場づくりを目指しています」と水代氏。壁には各地の地域限定の書籍などを置き、美味しいコーヒーを飲みながら、次の旅先への思いにふけることができる。