週刊文春が絶好調だと言われる。
甘利経済再生担当大臣やタレントのベッキー、さらには“イクメン議員”だったはずの宮崎謙介衆議院議員と、次々と文春のターゲットにされ、撃沈していった。今年に入ってから、完売はすでに3回。これより前に文春が完売したのは3年も前というが、出版不況にあえぐ雑誌業界にあって3回立て続けの完売は驚異的なことである。
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民放テレビ各局の情報番組では、「週刊文春によれば……」と文春の記事をそのまま流している。自社でウラも取らずに文春の記事を放送することについてメディアとしていかがなものかと批判するむきもあるが、どだい民放のマンパワーでは独自のウラ取りなんてとても無理である。
なぜ文春はスクープを連発するのか
民放各局にも報道局という部署があって記者がいるが、これは正午前や夕方、さらに晩のニュース番組のための取材や原稿書きをするためにいるのであって、午前中や午後の情報番組のための人員ではない。文春が書いてくれ、ある程度、社会的に認知された記事であれば、一も二もなく飛びついてしまうのである。
文春側もしたたかなもので、最近ではテレビ各社に対して、「週刊文春によると」とのクレジットをしっかりつけるよう求めるだけでなく、画像や記事の使用料を取るようになったという。少なくない経費をかけて取材をしたわけだから、テレビ各局にタダ取りされてはかなわないということだろう。
ネットには「なぜ文春はスクープを連発するのか」という類いの記事が多く掲載されるようになった。週刊誌の記者による取材や制作過程に関心が高くなっていると思うと、たいへん喜ばしいことだが、一般に広がっているイメージのなかには誤りも多いので、この機会に指摘してみたい。