As Reagan’s presidency unfolded, I also appreciated his focus on a handful of overarching themes, such as reining in the intrusiveness of government, building a strong national defense, and cutting taxes. I knew the previous administration had left a legacy of soaring unemployment, sky-high taxes, and rampant inflation. Reagan’s plan for growing our economy made common sense: reduce reliance on government by cutting taxes and putting more money into the hands of the people who earned it. (p46)
「レーガン大統領については、次のような重要な課題を厳選して取り組んだ点を、わたしは評価していた。政府を小さくし、国防を強化し、減税することだ。その前の(カーター)政権のせいで、失業率が急上昇し、税金がおそろしく高く、インフレが猛威を振るっていたことを私は分かっていた。税金を減らして政府への依存を減らし、稼ぐ人の手により多くの金を渡すという、レーガンの景気拡大策は理にかなっていた」
減税し政府を小さくし経済を活性化する。レーガン政権の成功を賞賛すると同時に、それがそのままオバマ政権へのアンチテーゼでもある。大学時代に、共和党員として登録した時の述懐も同様だ。
I had read both major party platforms, and the GOP just made sense for someone like me, a believer in individual rights and responsibilities rather than heavy-handed government; in free market principles that included reward for hard work; respect for equality; support for a strong military; and a belief that America is the best country on earth. (p45)
「両党の綱領を読み、次のような信念を持つ私のような人間にとって共和党がまさにうってつけだった。不器用な政府よりもむしろ、個人の権利と責任を重視する。がんばった人が報われるという市場主義。平等の尊重。軍備の強化。そして、アメリカは地球上でもっとも優れた国家だという信念だ」
小さな政府、進化論の否定
“わかりやすい”ペイリン
キリスト教の教えに反するとして、アメリカ人の多くがいまだに生物の進化論を信じていない一例を、ペイリンが自ら示してくれる点も日本人には驚きだ。マケイン大統領候補の選挙キャンペーンの参謀役(Schmidt)が、副大統領候補に正式に指名する前に、ペイリンを面接するシーンを次に引用する。
But I didn’t believe in the theory that human beings originated from fish that sprouted legs and crawled out of the sea. Or that human beings began as single-celled organisms that developed into monkeys who eventually swung down from the tress; I believed we came about through a random process, but were created by God.
“But your dad’s a science teacher,” Schmidt objected.
“Yes.”
“Then you know that science proves evolution.”
“Parts of evolutions,” I said. “But I believe that God created us and also that He can create an evolutionary process that allows species to change and adapt.” (p217、一部挿入句を省略)
しかし、魚に脚が生えて海から這い出し、人類になったという理論を、私は信じていない。あるいは、人類が最初は単細胞生物で、時間をかけついに、木から降りてきたサルに進化したというのも信じていない。わたしたちが、偶然のプロセスを経てきたことは信じるが、しかし、わたしたちは神によって創造されたのだ。
「しかし、あなたのお父さんは理科の先生ですよね」シュミットは反論した。
「はい」
「それじゃあ、科学が進化を証明していることを知っていますよね」
「証明されているのは、進化の一部だけです。しかし、神が私たちを創造し、神が進化の過程を創造し、さまざまな種が変化し適応できるようにしたと信じています」と、私は言った。