2024年12月4日(水)

坂本幸雄の漂流ものづくり大国の治し方

2016年7月25日

 ベネッセホールディングスの原田泳幸代表取締役会長兼社長は6月25日で退任、LIXILグループの藤森義明代表執行役社長兼CEOも6月に退任するなど、最近、「プロ経営者」と呼ばれる人の失脚が目立つ。

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 原田氏はアップル日本法人、日本マクドナルドのトップを経てベネッセに、藤森氏はGE(ゼネラル・エレクトリック)からLIXILへ移った。彼らはプロ経営者の代表格として、メディアで取り上げられることが多いが、そもそも日本におけるプロ経営者の定義がおかしいと感じている。

 まず、外資系出身者がプロ経営者といわれることがあるが、一概にそうとはいえない。特に、外国企業の日本法人社長経験者はプロ経営者ではない。重要な経営判断はすべて海外の本社で行っており、企業の将来を左右するような判断を行う機会は皆無に等しいからだ。「日本支社の営業部長」のような存在、といえば分かりやすいだろうか。

 一方、専門外の分野に飛び込んでいって失敗するケースも目立つ。バックグラウンドが異なるフィールドで投資、工場建設、製品開発等の判断を行うのは非常に難しい。

 そうすると「売り上げを伸ばせ」「利益を伸ばせ」「従業員のモチベーションを上げる仕組みをつくれ」といった誰でも言えるような一般的なことしか言えなくなる。この時点で「プロ」ではない。


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