世界の記述

2016年9月26日

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宮下洋一 (みやした・よういち)

ジャーナリスト

在欧ジャーナリスト。1976年生まれ。スペイン・バルセロナ大学大学院でジャーナリズム修士。『卵子探しています』(小学館)で小学館ノンフィクション大賞優秀賞。『安楽死を遂げるまで』(同)で講談社ノンフィクション賞を受賞。近著に『ルポ・外国人ぎらい』(PHP新書)がある。
 

 ビーガンの歴史は、1944年11月1日にイギリス人のドナルド・ワトソンが設立した「ビーガン協会」に遡る。人間は、動物に頼らずに生きるべきという理念から生まれた。英歌手・ポール・マッカートニーを始め、米男優のブラッド・ピットや同女優・グウィネス・パルトロー、クリントン元米大統領といった著名人が完全菜食主義者として知られている。

「ビーガン主義は態度である」

 すでに70年以上の伝統を持つビーガン主義は、このように世界各国に広まりつつあるが、彼らは食生活以外にも、動物保護を基盤にした生活様式を心がけている。

 スペインの非政府組織「ディフェンス・アニマル」のカルロ・ピノ代表は、「ビーガン主義は、ダイエットではない。それは態度である」と主張。「人間1人ひとりが敬意を持って生活するスタイル」と捉えている。

 動物愛護団体「ピタ」(イギリス支部)のベン・ウィリアムソン広報官は、「04年から、欧州連合域内での動物実験を禁止した。化粧品会社も、この案件にリストを連ねるようになった」と語る。アパレル産業についても「絶滅の危機にある動物が、今日のファッション雑誌に登場している」と懸念を抱いている。

 革製品や動物性成分を含む化粧品なども排除するビーガン思想は、食生活以外にも、こうしたさまざまな分野に展開している。このブームが、社会に意識変化をもたらし、肉食でも完全菜食を経験しようとする人々が増えている。

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