一方、ライドシェアでは、運行を監視しているオペレーションセンターが存在しているため、不測の事態が起こった場合など、センターから遠隔で緊急操作をすることも可能となる。
こうしたライドシェア自体が抱える課題、運営上の利点といった背景があり、Uberが急速に自動運転車開発を進め、一方でGoogleがUberと競合してまでライドシェアに参入をしてきたのではと考えている。
UberのライバルであるLyftも、GMから出資を受け、共同でライドシェア向けに自動運転のテストを開始することを発表している。また、Teslaも、自社でシェアリングサービスを立ち上げる計画を発表している。
今回ライドシェアに参入し、Uberとの対決姿勢を鮮明にしたGoogleだが、自動運転の開発自体が難航しているとの噂も聞こえてくる。2009年に自動運転の開発プロジェクトをスタートして以来開発を指揮してきたクリス・アームソン氏が突如辞職。他の重要な幹部も次々と退社しているようだ。
ハードウェアメーカーではないGoogleにとって、一般向けの自動運転車を世に出すためには、自動運転車を大量生産するパートナーが必要だ。しかし、いくつかの自動車メーカーがテスト的にはGoogleと連携をしているものの、大量生産を見据えて本格的に組もうというパートナーが見つからないことも、プロジェクト行き詰まりの一つの要因のようだ。
いずれにせよ、「自動運転」x「ライドシェア」という組み合わせの歯車は噛み合い始めたように見える。この組み合わせで自動運転車の開発競争、そして製品の投入がどう進むのか、今後も目が離せない。
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