海野素央の Love Trumps Hate

2017年5月8日

»著者プロフィール
著者
閉じる

海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

米国と中国の狭間で

 日本は米国と中国の狭間でどのような役割を果たして存在感を示すことができるのでしょうか。2003年8月第1回目の6カ国協議が開催されて以来、日本は中国に主導権を奪われてきました。6カ国協議が停滞している間に、北朝鮮は核・ミサイルの技術を進歩させたというのが一般的な見方です。しかもトランプ政権が中国の北朝鮮に対する影響力に依存しているので、南シナ海における軍事拠点化の問題解決の糸口は一向に見つからないのです。

 米議会の動きにも注目です。上院軍事委員会のリンゼー・グラム議員(共和党・サウスカロライナ州)は東アジアに甚大な被害が出ても、米国本土を守るために北朝鮮に対する先制攻撃を行う必要性を主張しました。上で紹介した下院議員は、インタビューの中でグラム上院議員のこの発言を「無謀だ」と非難しましたが、米国本土優先論が米議会及び世論で支配的になることは日本にとって決して好ましいことではありません。

 中国がイニシアチブをとる6カ国協議の早期再開ではなく、米朝2国間によるトランプ・キム会談の実現に向けて平和的解決を目指す日本が仲介役となり、両国に働きかけることが極めて重要です。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る