From LA

2017年5月17日

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実際に2つのサービスは何が違うのか?

 実際に2つのサービスは何が違うのか。利用者の立場として比較すると、まずアプリはリフトの方が分かりやすい。ドライバーへのチップ、予約サービスを加えたのもリフトの方が先だ。ドライバーの質は双方ほぼ同じ、というかリフト、ウーバー双方に登録しているドライバーも多い。しかし、利用者の不満に対する対応は圧倒的にリフトが上だ。

 どちらもドライバーを評価するページがあるが、道を知らない、対応が無愛想、などで星3つの評価をつけたとする。ウーバーからは特にアクションがないが、リフトは直ちにメールが来て「なぜ星3つしか評価されないのか、ドライバーの何が問題だったか」を聞かれる。道を間違えたため遠回りになった、などと返答すると、その分として5ドルほどの返金が行われた。

 ウーバーのドライバー管理には問題がある、と指摘されている。カリフォルニア州では5月に入り、ウーバーに110万ドルの罰金を課する、と発表した。理由は「飲酒、ドラッグ使用などの疑いがある」と利用者から苦情が寄せられたにも関わらず、ドライバーに対し調査や処置を行なっていなかったことだ。またマサチューセッツ州では「ウーバードライバーのバックグラウンドチェックが完全ではない」と州が調査に入る可能性も指摘されている。

 ウーバーの最大の問題は、ライバルであるリフトの躍進にある。ウーバーにとっては2016年にGMがリフトに5億ドルを出資、というのは非常にショックな出来事だったに違いない。

 しかもGMと提携したことでリフトは「エクスプレス・ドライブ」という、リフトドライバーに登録し、フルタイムで働けばGMの新車がほぼ無料でリースできる、というサービスまで提供できることになった。これはライドシェアサービスのドライバーになりたいが自分の車は基準に満たないため使えない、という人々にとって大きなプラスとなる。

 また、ライドシェアサービスはBMW、GMなどの大手自動車メーカーも続々と乗り出している。乗車数が増えてもなかなか黒字にならないビジネスにとって、最後にモノを言うのは資金力、ということにもなりかねない。

 「ウーバーは壮大な実験」と言われることも多い。それまで存在しなかった新しいサービスを社会に定着させた、という功績は大きいが、今後も存在を続け黒字会社として生き伸びていけるのか、ウーバーにとっては今年が正念場となりそうだ。

 今年に入り追い風に乗ったリフトは一部地域での料金値下げなどのキャンペーンを続々と発表し、一気にウーバーに追いつき追い越そうという姿勢が見える。この2つのライバルの動向が、今後のライドシェアのあり方を大きく変えていく可能性もある。

  
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