2024年6月18日(火)

Wedge REPORT

2017年5月22日

 ある日本語学校の経営者によれば、2011年の震災によって中国、韓国人の語学留学生が減ったことで新しい国からの留学生のリクルートがはじまり、ベトナムやネパールからの留学生が増えたという。実際、留学生数の統計によれば、中国、ベトナム、ネパールの順になっている。

 ただ、技能実習生、留学生たちが日本の人手不足の現場を補ってくれても、まだ足りないというのが、今の実態だ。というのも『厚生労働白書』で生産年齢人口(15歳〜64歳)をみると、ピークだった1995年には8716万人だったが、2015年は7708万人と1000万人も減っているのである。


 外国人労働者も、2011年に70万人弱だったところから、2016年には約108万人となり、初めて100万人を突破した。しかし、労働人口の減少に比べると、外国人労働者の助けを借りてもまだまだ足りない状況にある。


 しかし、「技能実習生」や「留学生」は本来、人手不足の穴埋めをするために来日しているわけではない。技能実習生は「技能を習得して母国で活かす」ことであり、留学生は「日本に来て学問を修める」ことが本来の目的だ。それなのになぜ、このようなことが起きているのか?

外国人労働者という都合の良い存在

 それは日本政府が「単純労働」を目的とした来日を認めていないからだ。国民も、身近に外国人が増えているということに気づきながらも、「いつかは帰る人たち」「他者」として、無関係を装ってきた。現在の生活を維持するために、外国人労働者を「都合の良い存在」としてあつかってきたともいえる。

 しかし、このような状況はいつまでも続けられない。外国人労働者を確保することが難しくなってきているからだ。例えば、技能実習生の受け入れ数は長らく中国人がトップだったが、2016年、はじめてベトナム人がトップになった。現場からは「中国国内の経済が発展したため、わざわざ日本に来なくても、国内で良い仕事が見つかるようになってきており、中国人の良い人材を獲得することが難しくなってきた」という声が増えている。

 ベトナムの人たちも、いつまでも日本を魅力的な国としてとらえてくれるとは限らない。ベトナム経済が発展すれば、現地に魅力的な仕事が増え、給与水準も上がっていくだろう。

 「日が沈む国(日本)」と、「日が昇る国(東南アジア)」の違いを認識しておかなければならない。シンガポールやバンコクはもちろん、クアラルンプールやジャカルタ、ヤンゴンを訪れると、その活気、熱気にいつも圧倒される。街行く人々が「もっと豊かになりたい」とギラギラしている。まったりしている日本とは大違いだ。将来的には日本人のほうが、アジアの国々に出稼ぎに出なければならなくなるのでは? とさえ思えてくる。

 そんな思いを裏付けてくれるのが、堀江貴文氏の『君はどこにでも行ける』(徳間書店)で、「日本はいまどれくらい「安く」なってしまったのか」と、アジアにおける日本の序列変化について記している。


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