今こそ問題に向き合うべきとき
技能実習生については「3年で帰ってもらうのはもったいない」という、企業からの声も少なくない。せっかく戦力となってくれたのに3年で帰ってしまえば、またゼロから育てなければならない。一方で製造業などでは、「日本の若い子はなかなか興味をもってくれない」「3年どころか、3カ月ももたない」という声を聞いた。「3年いてくれるだけでもありがたい」ということだ。
何年も前から人手不足という問題に直面していたにもかかわらず、技能実習生や留学生といった「建前」で、人手の補充という「本音」を隠してきた。いまだに外国人労働者の問題について、新たな仕組みを考えていこうといった機運が盛り上がっているとは言えず、実習期間を3年から5年にするなどという弥縫策が目立つ。そうしている間に、低賃金で過酷な労働を強いられる一部の外国人が日本を嫌いになって帰っていくということも続いている。
今こそ、自分たちの問題として外国人労働者について考えるべき時が来ている。
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