基礎年金(国民年金)の財政基盤強化を狙いに国庫負担の割合を09年度から2分の1(現行は3分の1)に引き上げる問題で、年間2.3兆円に上る財源の確保に暗雲が漂ってきた。当初の2年間は特別会計の「埋蔵金」を充てるものの、11年度以降は消費税の増税が不透明になったからだ。
政府は麻生太郎首相が明示にこだわった11年度からの消費税引き上げを09年度税制改正関連法案の付則に盛り込む方針だったが、自民党内の反対が強まり、その表現が大幅に後退した。財務省は「もうこれ以上のことは出来ない」(中川昭一前財務相)として負担割合を元に戻す可能性も示唆している。しかし、国民の関心が集まる年金だけに、政権交代が起こっても財源確保が大きな課題。将来的にも財政当局を苦しめそうだ。