Wedge REPORT

2017年6月29日

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 最近では、就活ナビを利用した「エントリー型」の採用に加え、人材紹介会社が学生と企業を仲介する「新卒紹介」サービスや、企業から学生に直接オファーを送り接触する「ダイレクトリクルーティング」など、採用手法が多岐に渡っている。採用コンサルタントの谷出正直氏は、「就活ナビの自社ページにエントリーした大量の学生の中から一定数の優秀人材を採用するという確率論的な採用をやめ、求める人材へ直接アプローチする手法に変える企業が増えてきている」と最近の動向を分析する。 

 そんな中、社員50人を抱える東京都のあるIT企業の社長は「当社は今年からリクナビ、マイナビなどの就活ナビを使って学生のエントリーを募ることをやめた」という。同社はBtoBでビジネスを展開しており、学生の認知度が低く、ここ数年は採用計画数を達成するのに四苦八苦する状態が続いていたという。

 「待ちの姿勢では優秀な学生は採れない。今年からは学生に直接アプローチできるサービスを使って、少ない労力で効率的に採用し、5月末の時点で既に目標数を採用できた」

外国人が働きやすい部署をつくるのも一手

 外国人まで採用対象の幅を広げるのも、優秀人材を比較的容易に獲得するための有効な方法だ。トーマツベンチャーサポート(東京都千代田区)の斎藤祐馬事業統括本部長は「日本の大学に通う留学生のうち、日本で就職する学生は3割程度しかいないといわれている。日本語が話せなければ採用しないなど、日本企業の風土が大きな原因となっているが、バイリンガルな部署をつくるなど、少し社内環境を整えれば、優秀な外国人は多く採用できる。外国人採用は、日本人社員の語学力が上がる、はじめから世界に目が向く、グローバルなネットワークが築けるなどのメリットも生む。実際に弊社では、北欧やインドにおけるベンチャー開拓において、現地出身の社員の情報網やコネクションを活用している」と、優秀な外国人採用の可能性とメリットを話す。「同じレベルの日本人を採用するより、はるかに簡単ですよ(笑)」。

 大学生からのエントリーを待ち、そこから選抜していくという採用手法だけで優秀な人材を獲得することは、もはや困難になっている。「重要なのは、そもそも自社にとってどんな人材が必要かを明確にし、そうした人材が入社するための価値をつくることだ」(前出の谷出氏)。

 漠然と採用するのではなく、自社にとって優秀な人材とは何か、という点について突き詰めて考え、旧来の採用手法とは違った選択肢も活用していくことが必要だ。

  
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