フィスカー社の創業者であるヘンリク・フィスカー氏は会社を倒産させた後も奇跡的に蘇り、現在はカルマのすぐ近くで新しいEV企業、フィスカー・インクを設立。こちらも「EMotion」と名付けた新しいラグジュアリーEVを発表した。http://fiskerinc.com/
フィスカーのEMotionは2000ドルの手附金で2019年モデルの予約開始、販売価格は12万9000ドル、とされている。カルマと似てはいるがさらに「世界はもっと美しいEVを必要としている」と言う謳い文句で、流線の目立つクラシカルながらスポーティなデザインだ。
しかしこの車の特徴はなんと言っても「60マイル(およそ100キロ)あたりの充電時間が9分」としている点だ。現在EV普及を阻むのはこの充電時間の長さにある。テスラの高速チャージャーでも1回のフル充電にかかるのは30分。しかしフィスカーではフル、という考え方から60マイルあたり、という方向にシフトさせ、9分という数字を叩き出した。しかもパートナー(現時点で未発表)との提携により「フルに自動運転できるハードウェアを最初から備えている」としている。
色々と出揃った感のあるラグジュアリーEVだが、テスラに追いすがる最有力候補はやはりフィスカーになるのではないだろうか。倒産したとはいえ一時期はカルマというモデルを発表し、その性能は車好きからはテスラ以上、と絶賛されていた。フィスカー氏の背後にどのような資金が動いているのかは現時点で謎のままだが、資金が潤沢であればEMotionはテスラモデルSに十分対抗できる内容を備えたものになるだろう。
しかし今後新たなプレイヤーが参戦する可能性もあり、ラグジュアリーEVはホットな分野になりそうだ。
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