2024年4月21日(日)

したたか者の流儀

2017年8月6日

 近年の大物政治家の来訪で有名なのは、フランスのミッテランであろう。首都サナーは標高2200m以上なので、コンコルドの離着陸が危ぶまれたようだ。大物のイエメン訪問は無事終わったが、中堅産油国となったイエメンへのフランスの臭い付けであったのだろう。

 時々パリのシャンゼリゼ通りに見知らぬ旗が飾られ、警察が動員されることがある。そんな場合の多くは、資源国の元首の来仏だ。ことほど左様にミッテランのイエメン訪問はフランス的であった。

イエメンはアメリカ大陸でいえばメキシコのようなもの

 そもそも、1967年から1990年まで、イエメンは南北に別れていただけではなく、南は社会主義を標榜し、豚肉食をするなどイスラムを一度捨てたことがあるそうだ。その後、油田の発見などがあり旧北イエメンは大統領を南は副大統領を出すことで、いわばアブダビ・ドバイのような関係で運営されていた。とはいえ石油資源とマンハッタンの原型といわれる町を持ち、かつてはハドラマウトという国を形成していた時代もある南イエメンを、イエメン一国にすんなり同化するのは容易ではないようだ。

 いわばイエメンはアメリカ大陸でいえばメキシコのようなものだろう。高地にある首都、豊富な人材と可能性、石油と麻薬が混在している。トラブルが終結したあかつきには、誘拐に気をつけながら再訪したい国の一つだ。

 歴史が古く、海に囲まれ高い山が多く、アラビア半島にある異色の国がイエメンとなる。その頃は、腰の刀とカートの習慣も消えているかも知れない。

 ところで、マレーシアのマハティール元首相は先祖を辿るとイエメン人だと聞いたことがある。もちろん、海のシルクロードはイエメンにもつながっている。それまでは、珈琲のモカマタリを飲むときに、歴史のある国ではあるが内戦とコレラに苦しんでいるイエメンのことを考えてほしいものだ。

  
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