赤坂英一の野球丸

2017年10月25日

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 楽天時代の田中は研究熱心で、ライバルの打者と会話を交わす機会があると、少しでもヒントになる言葉を聞き出そうとしていた。

 「内川さんと話していると、『おれ、調子がいいときは、勝手にタイミングが合うんだよな』って言うんですよ。『どんな投手にどこへ投げられても対応できる感じがする』と。そういう話を聞いてからは、球種もコースもより慎重に選ぶようになりましたね」

 田中の証言を内川にぶつけたら、「ぼくは覚えてないですね。マー君と親しく会話した記憶もありません」という返事。そんな内川は当時から、重さも形状も違う3種類から5種類のバットを使い分けていた。

彼一流のこだわりの現れ

 「ほかの選手には変わってると言われます。ほとんどのバッターは、自分の最もいい形で打とうとするし、そのためにたくさん練習をするし、必然的にバットも1種類に決まってくる。でも、ぼくの場合、その形を崩されたときにどう打つか、を考えてますから。試合で人のバットを借りることもあります。(2011年の)日本シリーズではヒット7本のうち3本を今宮(健太)のバットで打ちました」

 だからといって、内川がアバウトな性格をしているわけではない。「何となくしっくりこないとき、まあいいやって、いつもと同じバットを使っちゃう自分が許せない。だからいろんなバットを試すんです」という彼一流のこだわりの現れなのだ。これが田中の指摘する「ほかのバッターとは全然違う感覚」なのである。内川対マー君の対決、また見たくなってきた。

  
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