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2017年10月29日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

 さて、「損」の大関2氏は、いずれも議席を減少させた党首。公明党は5議席減、2009年以降、初めて小選挙区で議席を落とした(神奈川6区)。山口氏は「立憲民主党に支持が集約されてしまった」と敗戦の弁を語る。安倍首相が憲法改正を加速させるとみられる中で、これまで通りブレーキ役を担っていくことができるか、苦しい状況になりそうだ。

 それにしても、この党の権力への執着はすごい。7月の都議選では、小池有利とみて支持、今回の選挙では、自民が勝利と踏んで連立を維持した。希望の党の失速後は、都政レベルでも知事との関係を見直すという報道もなされているから、変わり身も速い。

 共産党は21議席から12議席へと大幅に議席減。民進、自由、社民各党と結束した戦いを進めてきたが、民進党が分裂したことで、はしごを外された。志位氏は「民進党の行動には怒りを感じる」と強く反発している。

 立憲民主党、社民党を支援するために多くの選挙区で候補者擁立を見送ったが、立憲民主党の勝利をしきりにたたえていたのは、自らの行動の正当化とも響く。

 築地市場移転問題などで小池知事を批判してきた「日本維新の会」代表、松井一郎大阪府知事は今回、小池氏と共闘した。しかし議席は14から11へと減少。大阪では、希望との棲み分けをはかったが、19の小選挙区のうち獲得できたのは3議席にとどまった(前回5)。

 松井氏は、もともと小池氏とウマがあわないが、橋下徹前大阪市長の意向を受けて連携したという見方もあり、事実なら気の毒という他はない。

 ご存じ、若狭氏は小池知事の側近。選挙前、党を代表してテレビ出演するなどしたが、驚いたのはNHK日曜討論での発言だ。希望の党は今回、政権獲得を狙うのかと聞かれて「次の次」と答えて、他の出演者から失笑を買った。実際の腹つもりはそうだとしても、それをあからさまにする必要はなかったろう。有権者は、すぐに政権を取る意欲のない政党に投票しない。

 この人は昨年の都知事選で、自民党衆院議員でありながら小池氏を応援、その後も党の方針に反した行動をとってきたが、そのツケがきたとみるべきだろう。元東京地検特捜部検事というが、政界に乗り出す野望を秘めて汚職捜査に当たってきたのか。公正な捜査かと疑問をいだかれたら、元の同僚も悔しかろう。

 小結二人は、いずれもポスト安倍の候補者。岸田氏は閣僚、党役員として、安倍氏をあくまで支え、禅譲を期待するが、首相の総裁3選が濃厚になったいま、自らの派閥からは、「これ以上待てない」という声があるとも聞く。

 石破氏は、「(総裁選が)2回続けて無投票ということになれば、党員に対して責任を果たせない」として、総裁選出馬の意向をにじませているが、地方での人気は高いものの、自派は手勢わずか20人。どのようにして愁眉を開いていくか。

 前頭のうち、豊田真由子氏は、論じるのもはばかるようなスキャンダルを起こしながら、出馬するという度胸にはあきれた。しかし、ネットなどをみると若者に意外と人気があり、選挙期間中も握手、サインを求める人が絶えなかったというから驚く。本当かね。

 さて、あらためていうが、この番付はあくまで筆者の「独断と偏見」によるものであって、特定の個人を持ち上げたり、貶めたりするのが目的ではない。

 損得番付は、ずっと以前、北海道の有力地元紙「釧路新聞」が、新年の紙面で行っていたもので、それを愛読していた筆者がアイデアを拝借したことを申し添えておく。

  
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