使えない上司・使えない部下

2017年11月28日

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クローズドに仕事をする人は高い実績を残すことができない

 当時、経営者であった父に経緯を話し、オファーのあった次の転職先の相談をしたのです。父も自らが経営するメトロールに後継者がいないことに悩んでいました。天命? 運命のいたずら? だったのかもしれません。

 私が、父の会社の事業継承をすることになったのが、20年前です。現在、私の新たな試みは、前職の経験を生かしたものが多いのです。

 2011年から、大卒の新卒採用を積極的に行い、1年目から社員を海外に出してどんどんと仕事をさせています。社会人経験がない人は、先入観なしに、新しい仕事に取り組む傾向があります。これは、前職で強く感じたことです。

 採用試験では、心理分析官の助言をもとに、「ミッション意識(使命感)」と「概念化能力」を重視し採用をしています。

 「ミッション意識」は、会社の課題を自分の問題として、当事者意識をもって取り組む能力のことです。学力や偏差値が高くとも、自己愛が強く使命感が持てない人は、レベルの高い仕事ができません。

 「概念化能力」は、経験や記憶に依存することなく、ゼロベースで考える能力のことです。抽象的な情報をかみ砕いて、自分の価値観と混ぜ合わせ、言葉少なでも良いから、絞り出すように自分の言葉で話したり、書いたりする力があるかを確認します。

 「ミッション意識」「概念化能力」を兼ねそなえた人を、私は「心の偏差値が高い人」と言っています。これらの能力は、その人自身の価値観であり、20歳前後までに、ほぼ決まっています。通常の学力、偏差値とは、必ずしもリンクしません。

 心の偏差値が高い人は、メトロールの新卒の採用試験で言えば、100人に1人いるかいないか、という割合です。昨年は会社説明会に500人が参加しましたが、内定者は5人でした。

 海外企業と大きな契約を次々と受注するトップセールスは20代の女性、入社3年目でベンチャー技術大賞を採る製品を開発した技術者、会社の「40周年史」(創業1976年)をプロ顔負けに、編集制作したのは入社2年目の女性社員…。若い才能を開花させている社員が数多くいます。

 採用の現場に関わるほど、人材は発掘するものであり、教育で社員を育てようなんて思うのは、おこがましいと思うようになりました。

 人にはそれぞれ持って生まれた才能があり、心の価値観があります。会社ができることは、これは!と思う人に自分で判断、行動できる自由度を与え、価値観が通じる仲間とチームを作ることを促すこと。

 会社に入ってまで「一律の社内教育」なんて若い社員をバカにしていると思います。若くても自律した社員は、必要な勉強は自分からしていきます。戦を通じて外部の厳しい環境に揉まれることが、何よりの“先生”です。

 社内でできる人材教育(外部研修も含め)なんて、本音を言えば、ほとんど、役に立たない!と思っています。こんなこと言うと学校の先生には嫌な顔されてしまうんですが…(笑)

  

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