もちろん、すべての幼稚園が同じようにできるとは思えませんし、「3~5歳児の幼児教育に特化していく」という信条を貫く幼稚園経営者もいると思います。それはそれで良いと思うのですが、やはり、親の働き方や家庭環境が多様化している現代、既存の幼稚園・保育所という2大枠組のもとで子どもの保育・幼児教育を行っていくには限界があるのではないでしょうか。今ある仕組みをベースにして、親御さんたちが選択できるメニューを増やす。これが目指すべき形だと考えます。無理矢理、幼稚園と保育所を一体化するのではなく、現行の枠組みの中で、できることを模索していく努力が、行政も含めて必要でしょう。
さらに言えば、親御さんたちの就労環境の改善も進めてほしい。企業のトップ管理職が、孫が産まれたら休暇をとる(孫育休暇)ぐらいのことを考えても良いと、私は本気で思っています。人々の意識の改革とともに、子育てしやすい環境を整える努力を、各方面で手を取り合って取り組んでいきたいと思います。
渡邉真一(わたなべ・しんいち)氏
初音丘幼稚園・スカイハイツ幼稚園園長。横浜保育室PICCOLINO、アフタースクール(学童保育)はつねっ子、横浜市立帷子小学校放課後キッズクラブ責任者。横浜国立大学教育人間科学部講師、(社)神奈川県市立幼稚園連合会会長、(社)日本経済団体連合会常任理事・理事、(社)日本経済団体連合会常任理事・業種団体・私立幼稚園経営者懇談会会長を務める。
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