2024年11月22日(金)

赤坂英一の野球丸

2018年3月21日

巨人の原石たち

 今年は何人、中田のような若者が二軍から羽ばたいてゆくか。ファームの選手と指導者のドラマを取材することができるか。そんな期待を抱いて、先週末の17日、イースタン・リーグの開幕戦、巨人-西武戦が行われたジャイアンツ球場へ足を運んできた。3年ぶりに三軍から復帰した巨人・川相昌弘二軍監督の今季初采配を見ておきたかったからでもある。

 川相監督が開幕投手に指名したのは高卒2年目の左腕投手・大江竜聖。スタメンの1番には昨年の台湾ウインターリーグで活躍し、今年一軍キャンプに抜擢された2年目の育成選手・松原聖弥。2番には15年育成ドラフト1位で、昨年支配下選手に昇格した3年目の増田大輝。さらに、4番は昨年一軍の阪神戦で藤川球児からプロ初本塁打を放ち、これがサヨナラホームランとなった3年目の宇佐美真吾と、川相監督が手塩にかけて育てたファームの原石がズラリと並んだ。

 とりわけ先発の大江は、川相監督が早くも宮崎キャンプ中に開幕投手に抜擢することを決断。三沢興一投手コーチと相談し、開幕日のこの日から登板間隔を逆算して調整を続けさせていたという。この計画がスタートしたのは宮崎で二、三軍の練習試合に先発させた2月18日。この試合で2回を無安打無失点に抑えてから1カ月弱、大江は7回を5安打1失点に抑える好投を見せた。試合は打線が無得点に抑えられて敗れたものの、大江にとっては大きな自信になったに違いない。

 「大江と2番手の高田萌生(八回1イニングを無安打無失点)はよかったですね。彼らはどちらも、先発の柱に育ってもらいたい投手ですから。宇佐美(3打数無安打)は調子を落としているところなので、これからですよ。松原(4打数1安打)や増田(4打数2安打1盗塁1失策)にはまだまだ覚えさせなきゃいけないことがいっぱいありますけどね」

 日が傾きかけた試合後、そう話してくれた川相監督の視線の先では、今年から二軍内野守備走塁コーチに就任した片岡治大が、増田を相手に延々とノックを続けていた。

  
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