1月23日、衆議院が解散された。この解散は、いわゆる「7条解散」と言われているものだ。これに対し、一部野党やマスコミから、今回の解散は違憲の疑いがあるという批判がなされている。
今回の解散は合憲
憲法には解散権の所在や行使の条件を定める明文の規定がない。ただ、間接的に解散権の所在を定めていると解釈できる規定はある。憲法第7条と第69条だ。
憲法第7条には「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行う」と規定され、その3号に「衆議院を解散すること」が挙げられているが、そもそも、内閣に解散権がなければ解散について助言と承認をすることもできないはずだから、この規定は内閣に解散権があることを前提にしていると解釈できる。さらに、第7条は、解散の条件には何も触れていないので、内閣はその主体的判断によって随時解散できることになる。
一方、憲法第69条には、「内閣は、衆議院で不信任決議案が可決されたとき、あるいは、信任決議案が否決されたときは、10日以内に衆議院が解散されない限り総辞職をしなければならない」と規定されているが、この規定も、内閣が総辞職しなければならない場合を規定したもので、解散権が内閣に属することを正面から規定したものではない。しかし、この規定の仕方から、解散権は内閣に帰属すると解釈することは可能である。ただ、第69条に従えば、内閣が解散権を行使できるのは、不信任案が可決された時、信任案が否決された時に限られることになる。
しかし、解散権を制限するということは、主権者たる国民の主権行使の機会を制限するということでもある。また、民主主義の本旨からは、民意が適切に国会の議席配分に反映されているかどうかが最も重要である。
もし、内閣は第69条に該当する場合以外は解散権を行使できないとすると、主権者たる国民は、衆議院については原則的に4年に1回、参議院については定員の半数ずつにつき3年に1回しか主権を行使できないことになる。国内情勢、国際情勢の変化が激しいことを考えると、民意が3年間あるいは4年間不変であるはずがない。前回総選挙時の民意による議席配分が、現時点での民意と大きくかけ離れているということも起こり得る。
そのような状況になっても、第69条が定める事態にならない限り、主権者たる国民が主権を行使できないというのは、民主主義の本旨に反するといわなければならない。それを考えれば、内閣が解散できるのは第69条に該当する場合に限られるとする説には同調できない。
