いまや日本人の3割以上の人が花粉症なそうです。いわゆるアレルギー性ですから、決定的な治療薬はなく、とにかく「花粉から逃げる(自分を隔離する)」のが基本となります。今の空調家電でどう対応すればいいのか、今後、どうなるのかを考えて見ました。
花粉情報を得るのはちょっと難しい
孫子の兵法のうち「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」というのは、「三十六計逃げるにしかず」と同様にすごく応用の利く言葉です。
花粉対応も全く同じです。この場合、必要な情報は「大気の中の花粉の量」です。
空間環境調整には、「温度」「湿度」「風」「CO2量」「化学物質」などのいろいろな要素があります。その中で花粉は「空中浮遊物」の中に含まれます。空中浮遊物は、「PM2.5」もあれば、「ハウスダスト」「黄砂」「カビ」「細菌」「ウイルス」。そして「花粉」もあるわけです。
そして浮遊物は多くの場合、外から換気時、人の入出時に室内に侵入します。まず、この侵入を最低にしなければなりません。イロハのイは、花粉が多い時に豪快に窓を開けて換気をしないということです。
現在、花粉情報は、環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)から、発信されます。観測所は各都道府県に、2〜4カ所。東京だと、東京都多摩小平保健所、森林総研多摩森林科学園、日本医科大学付属多摩永山病院の3カ所となります。
知ってほしいのは、ここで使われている花粉センサーです。最もイイモノは、花粉に対して紫外線を当て、その散乱光の強さと蛍光色で、花粉の種類を見分けます。非常に正確です。
次に正確なのは、レーザー光を用いる方法。前方、側方の散乱光を検出、その2つのデーターの比較で形状を、強度で粒径を判定。約25〜35μmの粒子状浮遊物を花粉と判断するものです。当然、土埃、スギ・ヒノキ花粉以外の花粉もカウントされますので、精度は下がります。
環境省以外にも、ウェザーニュースが開発した「ポールンロボ」というのがあります。基本、レーザー光を用いる方法と同じです。大きさは15cm位です。こちらはモニターが、使用、情報を送るやりかたです。ウェザーニュースはこちらのデーターで予報しています。
問題は花粉センサーは、いずれの場合も、それなりの大きさと言うことです。小型センサー1つではありませんので、空調家電に搭載と言うわけにはいきません。花粉症対策は、外の花粉情報を入手することからはじまります。
室内環境を作るのは、空気清浄機
換気、人の出入りによって、花粉は室内に入り込みます。室内に入った花粉に対応しなければ、花粉対策にはなりません。
その前に、入り込む花粉は最小にとどめるべきです。室内に入ってくる花粉は、換気より人の出入りの方が多いと言う人もいるくらいです。一番最初にすべきことは、服を脱ぐこと。コート、上着はできる限り、玄関で脱ぎ、ブラッシングするのがベター。誤っても、そのままベッドに身を投げ出してはいけません。外で露出させていた服を一まとめにして脱ぎ、花粉を室内のあるエリアに押し込めることが重要です。そして髪の毛も軽くブラッシング。人それぞれですが、花粉の侵入を最低限に抑えることが重要です。
次に空気清浄機を部屋の入口近くで、「最強モード」もしくは「オート」で運用します。多くの場合、6畳8分位でキレイにすることができます。長くても30分位でイイと思います。花粉が散った可能性がある空間をまずキレイにするためです。
空気清浄機のポイントとしては、瞬発力がある機種がイイです。アメリカの空気清浄機の規格:CADRをクリアした製品がお勧めです。今、日本で販売されている空気清浄機は、日本規格:JEMA、アメリカ規格:CADR、どちらかの規格で確認しています。もしカタログなどにきちんと記載されています。見た瞬間に性能は分かりませんから、取っていない製品を作っているメーカーは信用できません。
スウェーデンのブルーエア、日本のカドーはCADRを、日本の大多数のメーカーはJEMAを使用しています。
一言付け加えておきます。今後、一番厳しい規格として、米国のCADRを発展させた中国のGBが出てくる可能性があります。そのくらい中国は、強力な空気清浄機を求めているのです。基本は、CADRです。