2024年4月20日(土)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2018年5月10日

エコノミスト:
まず、WTOの約束を守っていないのは中国なので、道理から言えば、米国が文句を言うことは間違っていないと思う。
日本も欧州各国も中国に文句言えないから、米国が言うしかないであろう。猫に鈴をつけるのは、米国ということ。
WTO加盟で市場開放するはずが、公共工事や国営企業の案件では、今でも表立って外資を外しているからね。
また、中国の製造業者は、実質、コスト=輸出価格で世界に物を売っているということだから。
中国は、コストで輸出しても、17%の輸出増値税は還付されるので、その17%がそのまま企業の利益という構造だからね。世界は文句言うでしょう。

高田:
WTOの約束を守れないのであれば脱退すればいいではないか?

エコノミスト:
それはないでしょう。
これまで十分メリットを享受してきて。
だから、脱退ではなく、ルールを調整する方向なのではないかな。
エコノミストとしては、中国がよりオープンな経済体制になることが望ましいと思うから、米国の圧力は中国にとっても決して悪いことばかりではないと思っている。
ところで今回、習近平がすぐにさらなる外資に対する規制緩和を宣言したのだから、高田にとってもビジネスチャンスになるのではないか?

高田:
どうかね。これまでも開放とか言って、期待させられても、結局ネガティブリストなるものができてて骨抜きされたり、仮に規制緩和されても、いろいろな補助金や助成をもらえる内資企業と比べて不利かもしれないし、今後の推移を見ないと何とも言えないね。ただ、今回、習近平政権の権力基盤が盤石になったとすれば、政策の柔軟性は増えると思うので、そういう意味では期待している部分もある。

  
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