サモアでは商工会議所会頭が「外国の投資家が小売セクターの至る所へ入り込み、店を構えるのは大いに懸念材料」だと語った(『サモア・オブザーバー』2010年12月30日付)。表現は婉曲だが、中国人を指してのことである。「ソロモン諸島やトンガで起きたような暴動が、サモアでいつ起きても不思議はない」のだという。
こういう場合、緊張を和らげるため中国は真水の現金援助攻勢に出る。
今年に入ってすぐクック諸島に150万ドルを寄贈した。昨年1月1日にはバヌアツ政府に対し1億5000万ドルの無償援助を与えている。どちらも「お年玉」を出した趣だった。
以上、日本人の集合記憶には戦時の悲劇しかないガダルカナルはじめ南洋の島々で、いま中国が醸しつつある物議、起こしつつある波紋である。
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